ジョージア与党、「外国から資金提供」団体の登録義務化を撤回 「ロシア式」と抗議され

Protesters brandish placards and a European Union flag as they demonstrate in front of the Georgian parliament, in Tbilisi on March 7, 2023

画像提供, AFP

画像説明, 抗議デモ参加者らは、ジョージア政府が欧州連合(EU)から自国を遠ざけようとしていると非難してきた(7日、トビリシ)

ジョージアで、外国から一定の資金提供を受けている団体を「外国の代理人」として規制する法案をめぐって大規模な抗議行動や国際的な非難が起きたのを受け、与党は9日、問題の法案を撤回すると発表した。

首都トビリシではここ数日、法案を議会で成立させる動きが進行していたのを受け、激しいデモが続いていた。

法案は、外国から資金の20%以上を提供されている非政府組織(NGO)やメディアを「外国の代理人」に分類する内容。隣国ロシアでは同様の法律が、報道の自由を厳しく制限し、市民社会を抑圧するのに使われている。

そのためジョージアでデモに参加する人たちは、ロシア式の法律だとして怒りをあらわにしていた。法案は国際的にも広く非難されていた。

与党「ジョージアの夢」は9日朝、この法案を「無条件」で撤回すると発表した。

同党は、自分たちは社会の全員に対して責任をもつ政府の政党だとした上で、社会の「対立」を減らす必要があると述べた。

EUは撤回を歓迎

ジョージアは欧州連合(EU)に加盟候補国認定を申請しており、北大西洋条約機構(NATO)への加盟も目指している。EU当局は今回の法案について、EUの価値観と相いれないと非難していた。

ジョージアのEU代表部は、法案の取り下げを受けて声明を出し、「歓迎すべき発表」だとした。そのうえで、政治指導者が「親EUの改革」を再開するのを促すとした。

政府のUターンは、議会前でデモ参加者らと機動隊が2夜連続で衝突したのを受けたもの。デモ参加者らは「ロシア法に反対」と唱え、機動隊は催涙ガスと放水銃を使って解散させようとした。

与党「ジョージアの夢」は声明で、法案には不当なレッテルが貼られたと主張。「感情的な背後の動きが鎮まる」のに合わせ、法案の重要性と外国からの資金調達の透明性について、国民に説明するとした。

ロシアでは弾圧強まる

イラクリ・ガリバシヴィリ首相は、抗議デモを「騒動」として非難してきた。首相が率いる「ジョージアの夢」は、今回の法案について、アメリカで1930年代に成立した法律をまねたものだと説明していた。この主張は、ロシアが2012年に同様の法律を成立させた後にも用いられた。

そのロシアでは、同法が徐々に強化されている。現在では西側が資金提供するNGO、独立系メディア、ジャーナリスト、ブロガーを弾圧しており、それらの刊行物に「外国の代理人」というラベルをはっきり掲げることを義務付けている。

動画説明, ロシアの報道抑圧について2021年のBBCリポート
Presentational white space

トビリシでのデモに参加していたルカ・キメリゼ氏(30)は、「政府は繰り返し何度も、この国を欧州連合や欧州の価値観から遠ざけるため、あらゆることをしてくる」と話した。

国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナルはBBCに、ジョージアのNGOにはすでに10本の法律が適用されており、財務省は口座、資金、その他の情報をすべて知ることができると説明した。

サロメ・ズラビシュヴィリ大統領は、デモ参加者らへの支持を表明し、法案には拒否権を行使すると明言していた。ただ、最終的には政府が大統領の拒否権を無効にできるとされていた。