トルコ・シリア地震、死者1万1200人超に 支援届かず路上に遺体が放置

6日に発生したトルコ・シリア地震で、トルコ南部では生存者の捜索が続けられている。支援は十分ではなく、路上には遺体が残されたままになっている。
トルコの隣国シリアも壊滅的な被害を受けている。両国で確認された死者は8日までに計1万1200人を超えた。
トルコ当局によると、同国の死者は8574人に上っている。シリアに関して情報を得るのは困難だが、これまでに2662人の死亡が確認されたとみられる。
死者には数千人の子どもが含まれている可能性があると、国連は警告している。
マグニチュード(M)7.8の大きな地震は6日午前4時17分(日本時間同10時17分)、トルコ南東部のシリア国境に近いガジアンテプ市付近で発生した。
同日午後1時24分(日本時間同7時24分)ごろには、再び大きな地震が発生。震源はカフラマンマラシュ県のエルビスタン地区だった。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は7日、被害が最も大きかった南部10県を対象に3カ月間の非常事態を宣言。この措置により被災地への救援隊派遣や財政支援が可能になるとしたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
約70カ国が支援に乗り出しているが、一部地域ではこれらの支援が十分届いていないとして怒りが高まっている。
路上に遺体が放置
トルコ南東部アンタキヤでは、救助隊や救急車が今回の大惨事への対応に苦慮しており、複数の遺体が何時間も路上に放置されたままになっている。
行方不明者の家族は、愛する人を探してがれきをかき分けていた。大型ハンマーなどを使っていた男性の一団は、がれきの中から男性と少女の遺体を発見した。男性たちは救助隊に電動工具の使用を求めたが、救助隊は生存者の救出に集中しなければならないと述べた。
男性たちは遺体を取り出せるまでがれきをかき分け続けた。
「十分な支援ない」と怒りの声
被災地では、十分な支援がないことへの怒りが高まっている。ある女性はBBCに対し、救助隊が女性のボーイフレンドの家族が所有する建物の写真を撮影しに来たが、その後は戻ってこなかったと述べた。この建物には11人が閉じ込められているとみられる。
女性によると、数時間にわたり聞こえていた複数の声は聞こえなくなったという。
アンタキヤの北に位置するカフラマンマラシュ県は、2回目の地震の震源地に近かった。避難しようとする人々で山道が渋滞し、救援隊の到着が遅れている。
建物が軒並み倒壊し、救助隊はがれきの山の処理に追われている。厳しい寒風に吹かれた煙やほこりが救助隊の目に入り込んでいる。
生き延びた人々は路上生活を強いられ、食べ物を探したり、見つけた家具を燃やしたりして暖を取っている。今週後半には気温が氷点下まで下がると予想されている。
「あらゆる場所に遺体」
港湾都市イスケンデルンでも同様の状況が広がっている。家を失った人々が建物から離れた空き地で避難生活を送っている。
BBCが取材した女性は子どもや孫と一緒に避難していた。6歳の子どもはてんかんを患っている。救援隊からは羽毛布団やパンが配られたが、それ以外の支援は今のところ届いていない。
「私は打ちのめされている」と、地元の病院の医師はロイター通信に述べた。「あらゆる場所で遺体を目にしている。専門職として遺体を見ることには慣れている私にとっても非常につらい」。
イスケンデルンの港は、大規模な火災により、追って通知があるまで閉鎖されることになった。被災地へ向かう貨物を積んだ船は遠回りせざるを得なくなっている。
この火災は、地震の影響で石油輸送コンテナが横転して出火し、周囲の貨物に燃え移ったものとみられる。
地震による被害や、他のコンテナで入口がふさがれていることなどから、救急隊が現場に入ることが困難になっている。消防艇からの消火活動もうまくいかなかった。

画像提供, Reuters
シリアの状況は
シリア北部、特に反体制派が支配する地域への支援も困難を極めていることが報告されている。同地域は政府と反体制派の間で支配が分断され、紛争が続いている。
同地域の大半は地震発生以前から危機的な状況にあった。凍てつくような気候や崩壊しつつあるインフラ、コレラの発生などが、多くの住民に悲惨な状況をもたらしている。女性や子どもを中心にすでに400万人以上が援助に頼っていた。
とりわけ北西部は、最も支援が届きにくい場所の1つで、反体制派の支配地域に物資を輸送できるトルコ国境検問所は1カ所に限定されている。
国連は7日、このルートが被害を受けたため、シリアへの支援の流入を一時的に停止していると発表した。再開の時期については明らかになっていない。
国連シリア特使は、支援はトルコ国境を越えてではなく、国内から行わなければならないと述べている。反体制派の支配地域の人々は、政治的な理由で支援が差し控えられるのではないかと心配している。
荒廃した光景が広がる中で、一時的ながら希望を感じさせる出来事もあった。トルコ国境に近いアフリン近郊のがれきの下で、生まれたばかりの赤ちゃんが母親にまだつながった状態で発見され、救出されたのだ。母親は出産後、死亡した。










