ハリス米副大統領が訪韓 北朝鮮の弾道ミサイル発射翌日

Kamala Harris meeting with US and South Korean officials upon touching down at Osan Air Base in Pyeongtaek on Thursday

画像提供, EPA

画像説明, 韓国・ソウル郊外の烏山(オサン)にある米空軍基地に29日午前に到着したカマラ・ハリス米副大統領(右)

アメリカのカマラ・ハリス副大統領は29日、韓国を訪れた。南北軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)を視察するなどした。ハリス氏の訪韓前夜には、北朝鮮が平壌郊外の順安(スナン)付近から東の方向に短距離弾道ミサイル2発を発射した。

韓国軍合同参謀本部は28日の北朝鮮のミサイル発射について、同日午後6時10分から6時20分の間に実施され、飛行距離は360キロ、高度は30キロに達したと発表した。日本の海上保安庁も発射を確認した。

「北朝鮮の挑発行為は韓米の抑止力と対応能力をさらに強化し、北朝鮮の国際社会からの孤立を深めるだけだ」と、韓国軍合同参謀本部は声明で指摘した。

韓国と日本の当局は北朝鮮による「挑発行為」を非難している。北朝鮮は国連安全保障理事会の決議で、弾道ミサイルや核兵器の実験を禁止されている。

複数の専門家は今回の発射を、米韓合同軍事演習への報復だとみている。アメリカと韓国の海軍は26日、朝鮮半島近海で合同軍事演習を開始した。北朝鮮はその前日の25日午前にも弾道ミサイルを発射した。

合同軍事演習は4日間の日程で行われる。演習に合わせ、米原子力空母「ロナルド・レーガン」が2017年以来約5年ぶりに韓国・釜山に入港している。

ハリス副大統領は28日、米海軍の横須賀基地で演説。最近の北朝鮮政府のミサイル発射と「地域の安定を脅かす違法な兵器計画」を非難した。

米朝間の非核化交渉が行き詰まり、双方が防衛を強化し続ける中、こうしたミサイル発射は事態がより広範にエスカレートしていることを示している。

今年に入って30発以上発射

北朝鮮の25日の発射実験は、6月初旬以来3カ月以上ぶりだった。ただ、北朝鮮は今年に入って30発以上発射しており、1年間の発射回数としては過去最多となっている。

北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は26日、国連総会の演説で米韓合同軍事演習を批判。朝鮮半島を「戦争の瀬戸際」に追い込んでいると述べた。また、アメリカの北朝鮮に対する「敵対的な政策」が、世界がいま「より危険な段階へと向かっている」理由だとした。

韓国とアメリカは長らく、地域の安定を目的としたものだとして合同軍事演習を擁護してきた。

秘密主義的な共産主義国家の北朝鮮は、核兵器の保有をめぐり自己主張を強めており、アメリカと韓国を悩ませている。

今月8日には、核兵器保有国だと公式に宣言する法令を採択。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、決して核兵器を放棄したり、核軍縮交渉に参加したりしないと誓った。この法令では、自国を守るために先制核攻撃を行う権利についても明文化されている。

核実験の可能性は

アメリカと韓国の情報当局は数カ月前から、北朝鮮は核実験を行う用意ができているものの、政治的な好機をうかがっていると示唆している。

核実験が行われれば、5年ぶり7回目となる。韓国の情報当局は、北朝鮮が10月中旬から11月上旬までに核実験を行う可能性があるとの認識を示した。これは中国共産党大会とアメリカの中間選挙直前の時期にあたる。

5月に韓国大統領に就任した尹錫烈(ユン・ソンニョル)氏は、北朝鮮の脅威に対処するため、アメリカとの同盟関係強化に重点を置いている。