カナダ当局、アメリカ国境の橋封鎖した車列デモを排除

画像提供, Reuters
カナダ当局は13日、アメリカとの国境にかかる橋を大型トラックなどで封鎖していた車列デモの排除を終えた。デモ隊は新型コロナウイルスワクチンの接種義務化に抗議し、6日間にわたり主要な幹線道路の通行を妨害していた。
オンタリオ州のウィンザー警察は13日午前、カナダとアメリカを結ぶ主要幹線道路の「アンバサダー橋」を7日から封鎖していたデモ隊を排除した。警察は、数十人を器物損壊の疑いで逮捕したと発表。逮捕に強く抵抗する人は出なかったと説明した。警察はさらに、現場周辺の車両を複数押収したという。
接種証明の取得義務化に抗議するトラック運転手や、カナダ政府の新型コロナ対策に反対する活動家たちが「自由の車列」を自称して現地に集まり、アンバサダー橋を封鎖していた。
この事態にウィンザー市と自動車部品製造業者の業界団体が、排除命令を裁判所に求めた。カナダ自動車部品製造業協会(APMA)は橋の封鎖による物流への打撃で、1日最大5000万ドルの損害が出ていると訴えていた。
これを受けてオンタリオ州の裁判所は11日、橋からのデモ隊退去を命令した。しかしその後も、数十人の抗議者が退去命令に反発して現場にとどまっていた。
気温は零下17度
11日の裁判所命令を受けて、警察は12日午前からデモ隊の排除を開始。多くの車両は警察命令を受けて無抵抗でその場を離れたものの、警察が排除に動いたという情報が伝わると、デモ隊は膨れ上がった。
しかし13日朝の時点で現場に残るデモ隊は少数に縮小しており、警察は排除行動を再開した。
ウィンザー警察は、橋周辺の警備活動は継続するとして、「不法行為は一切容認しない」と警告。13日中にも橋の通行を再開したいとしている。
現場で取材するBBCのロビン・レヴィンソン=キング記者によると、12日深夜から13日朝にかけて気温は零下17度にまで低下。アンバサダー橋の近くに集結していたデモ隊は、約30人にまで減っていた。警察はバリケードなどを設置し、デモ隊を包囲し、排除に向かった。
参加者の1人はBBCに対して、「警官が『まずはトラックを撤去する』と言うのが聞こえたので、それが終わりの始まりなんだと思う。こういう終わり方になってほしくなかった。平和的な抗議を、警察が続けさせてくれればいいのにと期待していた」と話した。
アメリカ・カナダ間の物流の約25%がアンバサダー橋を通過する。この大動脈が占拠されたことで、部品供給が滞り、北米のトヨタ自動車やゼネラル・モーターズ(GM)、ホンダ、フォードなど自動車各社の工場が操業停止や減産に追い込まれていた。
各国に波及
「自由の車列」を名乗り、大型トラックなどで首都に集まったり幹線道路を封鎖したりしたカナダでの反ワクチン行動は、フランス、オランダ、ニュージーランドなど複数の国にも波及し、類似の抗議行動が相次いでいる。
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フランスでは12日、国内各地から数百台の車両がやはり「自由の車列」を名乗りパリに集結。飲食店や公共施設の利用に接種証明の提示を義務化したマクロン政権に強く抗議した。中心部のシャンゼリゼ通り近くでは警察とデモ隊が衝突し、警察が催涙ガスを使用。数十人が逮捕され、違法のデモに参加したとして数百人が罰金処分を受けた。
欧州ではほかにもカナダでの運動をまねた大規模な車列デモが各地で計画されている。欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)が本部を置くベルギー・ブリュッセルに、デモ隊が近く向かうという情報がソーシャルメディアに多く投稿されている。ブリュッセル市はこの抗議集会を禁止した。










