英リヴァプールの病院で爆弾攻撃、容疑者死亡 政府はテロ警戒レベル引き上げ

Burning car outside Liverpool Women's Hospital
画像説明, リヴァプールの婦人科病院の前で爆発したタクシー

イギリス・リヴァプールの婦人科病院で14日、病院の外に停車していたタクシーが爆発した。警察は、乗客が自家製爆弾を爆発させたテロ事件とみて捜査を進めている。

爆発は、戦没者追悼の日(リメンバランス・サンデー)に当たる14日午前11時に発生。タクシーに乗っていたエマド・アル・スウェアルミーン容疑者(32)が死亡した。犯行動機は明らかになっていない。

一方、運転手のデイヴィッド・ペリーさんは負傷したものの無事だった。ペリーさんは病院で治療を受け、15日に退院した。

プリティ・パテル内相は事件を受け、テロ警戒レベルを5段階中4番目に高い「深刻」に引き上げた。

イギリスではこの1カ月で2回、テロ事件が起きている。警察は10月15日、英与党保守党の下院議員、サー・デイヴィッド・エイメス(69)が東部エセックス州の地元選挙区で男に刺され、死亡した事件をテロ攻撃と認定した。

ただし、対テロ警察の全国調整官、マット・ツイスト警視監補は警戒レベル引き上げについて、「特定の脅威を受けたものではない」ため、一般市民が「警戒する必要はない」としている。

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警察は、スウェアルミーン容疑者が爆弾を製造し、タクシーに持ち込んだとみている。

スウェアルミーン容疑者が市内でタクシーに乗車後、約10分走行した先にあるリヴァプール・ウィメンズ・ホスピタルに到着後、爆弾が爆発した。

警察は、容疑者が住んでいた市内の住宅や、最近になって市内の別の場所で借り始めた住宅を捜索した。容疑者はこの新しい家のある通りから、タクシーに乗った。

警察はさらに、15日までに対テロ法に基づいて20歳と21歳、26歳、29歳の4人の男を逮捕し、事情聴取を行った。この4人はすでに釈放されている。

スウェアルミーン容疑者は、イギリス情報局保安部(MI5)に把握されてはいなかった様子。

BBCニュースのエド・トマス記者によると、シリア出身の同容疑者は、イギリスに難民として到着した。リヴァプールでは、マルコム・ヒッチコットさんとエリザベス・ヒッチコットさん夫妻と交流があり、支援を受けていたという。

エリザベスさんは容疑者の死について、「とてもショックを受け」、「ただただ悲しい」と話した。

「私たちは彼が大好きでした。すてきな青年でした」

BBCのゴードン・コレラ安全保障担当編集委員は、当局はスウェアルミーン容疑者の犯行動機について、慎重論をとっていると指摘。中東出身の難民だと報じられている一方で、最近ではキリスト教に改宗したり、メンタルヘルス(心の健康)に不調があったとみられていると報じた。

ボリス・ジョンソン英首相は緊急治安閣僚会議(COBRA)を終えた後、「吐き気のするような攻撃」だと述べた。

また、この事件が「みんなが警戒し続けなければいけないことをはっきりと思い出させてくれた」一方で、「イギリス国民がテロリズムに飼いならされることはない」と話した。

パテル内相は、「政府は国家安全保障のためにあらゆる人々と協力し、必要な措置をすべて取る」と述べた。

サジド・ジャヴィド保健相は、現場となった病院の国民保健サービス(NHS)職員や救急隊員に敬意を表し、「最も困難な時期に最上級のプロ意識を」見せてくれたと語った。

同病院のキャサリン・トムソン院長も、「勇敢で献身的な」職員や救急隊員に敬意を表した一方で、「とても動揺する2日間で、全員が傷ついた」と述べた。