ノーベル賞に「ジェンダーや民族の割り当て作らない」=スウェーデン王立科学アカデミー

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ノーベル賞を授与しているスウェーデン王立科学アカデミーは、同賞にジェンダーによる割り当てを設けないつもりだと述べた。
同アカデミーのゴラン・ハンソン所長は、「最も重要な発見をした人」に賞を与えたいからだと説明した。
1901年の創立以来、これまでに59人の女性がノーベル賞を受賞している。最初の女性受賞者はマリー・キュリー氏で、女性としては唯一、2回受賞している。
今年の女性受賞者は、平和賞のマリア・レッサ氏のみだった。
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ハンソン氏はAFP通信の取材で、「ノーベル賞受賞者には女性が少なすぎると言われている。特に過去の社会の不平等な条件が反映されているが、その不平等は今も存在していると。やるべきことはたくさんある」と説明。
その上で、「我々は受賞者にジェンダーや民族などで割り当てを設けないと決めた」と述べた。この決定は、「アルフレッド・ノーベルの遺志に基づくもの」だという。
スウェーデンの化学者・実業家のノーベル氏は1895年の死の1年前に、遺言にノーベル賞を創設するよう書き残した。

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ハンソン氏は、「我々は最も価値のある発見をした人、最も重要な貢献をした人にこの賞を与えたい」と述べた。
また、過去に比べれば女性の活躍も注目されるようになったものの、その数は「非常に低い水準」から増加してきたと語った。
「欧州と北米では女性の自然科学教授は全体のわずか10%、東アジアではもっと少ないことを忘れてはいけない」
その一方で、アカデミーは「ノーベル賞にノミネートされる女性科学者の数を確実に増やし、これからも女性委員を置き続ける。しかし助けが必要だ。社会による助けが必要だ」と述べた。
「科学を志す女性に対して、これまでとは違う態度が求められている(中略)そうすれば女性たちも受賞に価するような発見をする機会が得られるようになる」

数字で見るノーベル賞
- 975:受賞者数(947人、28団体)
- 59:女性の受賞者数
- 17:最年少受賞者、2014年に平和賞を受賞したマララ・ユサフザイ氏
- 97:最高齢受賞者、2019年に化学賞を受賞したジョン・B・グッドイナフ氏
- 6:受賞を辞退した人数、そのうち4人は出身国が強制的に辞退させた

エマニュエル・シャルパンティエ教授とジェニファー・ダウドナ教授は2020年、ゲノム編集技術の開発で、ノーベル化学賞を受賞した。女性2人の共同受賞はこれが初だった。
また、男性の協力者の名前がない状態で女性2人に科学賞が送られたのも、史上初だった。
受賞に際しシャルパンティエ教授は、「今回の受賞が特に、科学の道に進みたいと思っている若い女の子たちに前向きなメッセージになってくれることを願っている(中略)科学界にいる女性が、研究に影響を与えられることを示せればと思う」と語った。
一方で、「科学を志す女性が明らかに少ないのが、とても気がかりだ」と述べた。
その他の著名な女性受賞者には、2014年に平和賞を共同受賞した教育活動家のマララ・ユサフザイ氏、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を発見し2008年に生理学・医学賞を受賞したフランソワーズ・バレ=シヌシ氏、アメリカの人種差別の現実を描き出し1993年に文学賞を受賞したトニ・モリスン氏などがいる。
女性で初めてノーベル賞に選ばれたマリー・キュリー氏は、1903年に物理学賞を受賞。1911年にも化学賞を受賞し、女性で唯一、2回受賞している。








