ベゾス氏、NASAを提訴 ライバル企業との契約は「不公正」

画像提供, Reuters
米宇宙開発企業「ブルー・オリジン」は13日、米航空宇宙局(NASA)が29億ドル(約3170億円)相当の月面着陸機の開発契約を米宇宙開発企業「スペースX」と結んだことについて、契約には「根本的な問題」があり不公正だとしてNASAを提訴した。
「ブルー・オリジン」は米オンライン通販大手アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が立ち上げた宇宙開発企業で、ライバル企業「スペースX」は米電気自動車メーカー「テスラ」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が保有する。
当初、NASAは月面着陸機の開発契約を2社と結ぶと予想されていたが、資金不足を理由に1社に限定されることが4月に明らかになった。
今のところNASAからのコメントはない。NASAは連邦政府の監視機関の後ろ盾を得ている。
「不法かつ不適切」
ブルー・オリジンは13日に提出した裁判資料の中で、早くて2024年までに宇宙飛行士を月面へと送る着陸システムを構築するには、引き続き2社との連携が必要だと考えていると主張した。
また、NASAが入札プロセスにおいて同社の提案を「不法かつ不適切に評価した」と非難した。
「公正さを回復し、競争を生み出し、アメリカが安全に月に戻れるようにするために、今回の入札獲得とその結果から明らかになった問題に対処しなければならないと、当社は確信している」
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コストも影響か
NASAの有人探査分野の責任者キャシー・ルーダーズ氏は、契約を1社に限定すると決定した際、予算が理由だと認めていた。これに先立ち米議会は、NASAがこの計画のために要請していた資金33億ドルのうち、わずか8億5000万ドルの拠出を承認していた。
NASAは、スペースX社の有人宇宙船が地球低軌道に乗るミッションを成功させていることも、契約を決めた理由だとしていた。
一方でブルー・オリジンは7月の有人飛行で、地球の周回軌道には入っていない。
このほかに、コスト面も影響していると考えられる。スペースX社の入札額は、ある程度の差をつけて最安値だった。
監視機関は問題視せず
ベゾス氏は7月、契約を再検討してもらうため、NASAのコストを最大20億ドルまで負担することを申し出たものの、拒否された。
こうした中、米監視機関の会計検査院(GAO)は、NASAが1社としか契約しなかったのは「不適切な行為」ではないとして、ブルー・オリジンと防衛関連企業ダイネティクスからの訴えを退けた。
NASAは10月12日までに今回の訴訟に対する回答を提出しなければならない。スペースXは今のところコメントしていない。
NASAはアルテミス計画で、人類を再び月に戻すことを目指している。成功すれば1972年のアポロ計画以来となる。
ルーダーズ氏は4月に、「この重要な一歩により、人類は持続可能な月探査への道を歩み、火星を含む太陽系のさらに遠隔地でのミッションに目を向け続けることができる」と述べた。








