衝突と死者の原因になった南部将軍の銅像、4年経て撤去 米シャーロッツヴィル

動画説明, 批判と激しい対立の焦点となった南部連合軍リー将軍の銅像が撤去された

2017年8月に米ヴァージニア州シャーロッツヴィルで、白人至上主義者とそれに抗議する人たちが激しく衝突し、女性が1人死亡するきっかけとなった、旧南部連合軍の将軍の銅像が10日午前、撤去された。

南北戦争で奴隷制維持を掲げる南部連合の軍を率いたロバート・E・リー将軍の銅像は、台座から降ろされトラックで倉庫へと運ばれた。市の呼びかけで集まった人たちは歓声を上げながら見守った。

クレーン車が像に近づくと、ニクヤ・ウォーカー市長が、像の撤去は国全体への大事な合図になると演説した。「この像の撤去は、小さい一歩になる。経済的利益のため進んで黒人を破壊したシャーロッツヴィルとヴァージニアとアメリカが、自分たちの罪と取り組むのを助けるという目標に向けて」と、市長は強調した。

像撤去を求めてきた活動団体「Take 'Em Down CVille(像を下ろそうシャーロッツヴィル)」のメンバーたちは、要求実現を歓迎。「像を取り除けば白人至上主義を終わらせられるなど、誰も思っていない。しかしこれは、重要な一歩だ。遅すぎたくらいだ」と述べた。

同様に、同じ南部連合の「ストーンウォール」ことトマス・ジャクソン将軍の像も撤去された。

市当局は像の扱いについて、市議会が移設場所を決めるまでは安全な場所に保管する方針としている。

市当局は、南部連合の将軍たちの像があった公園を改修し、「シャーロッツヴィルの歴史を、より完全な形で語り、癒しを推進する」設計に作り直す計画だという。

動画説明, シャーロッツビル衝突 現場記者が見た光景とトランプ氏の発言を比較

シャーロッツヴィルではリー将軍の像撤去をめぐり、2017年4月からクークラックスクラン(KKK)などの白人至上主義者たちが抗議集会を重ねていた。8月12日には「右派の団結」を掲げる極右集会が開かれ、これに抗議する人たちと衝突が起きた。人種差別に抗議する人たちの中に男が自動車で突入し、ヘザー・ハイヤーさんが死亡したほか、19人が負傷した。自動車を運転していた男は2018年12月、終身刑を言い渡された

シャーロッツヴィル市はこの後もリー将軍像を撤去しようとしたものの、反対派が提訴したため、是非が法廷で争われていた。今年4月にヴァージニア州最高裁が撤去を認める判断をしたため、衝突から4年後に撤去が実現した。

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奴隷制を維持しようとした南部連合の旗や像、記念碑は今もアメリカ各地に数多く残っており、長年議論の対象になってきた。

南部連合の記憶をとどめる像や碑は、アメリカの歴史や南部文化の記録だという意見がある一方、アメリカの奴隷制や人種差別を今も顕彰するものだと強く問題視する声もある。

シャーロッツヴィルで2017年8月に行われた「右派団結」集会には、数百人のネオナチや白人至上主義者、KKKが集まり、リー将軍の像撤去に反対した。

これに抗議するカウンター集会が攻撃され死傷者が出た事態を受け、当時のドナルド・トランプ大統領が「双方に責任がある」と主張.。当時の与党・共和党内や政権内からもトランプ氏を批判する声が上がった

ジョー・バイデン現大統領は、トランプ氏のこの発言を受けて、2020年大統領選に出馬する決意を固めたと後に話している