トランプ氏をNYタイムズで非難した「匿名」政府職員、名乗り出る

画像提供, Reuters
ドナルド・トランプ米大統領を批判する論考記事を、2018年に匿名で米紙ニューヨーク・タイムズで発表した政権内部の人物が28日、名乗り出た。
国土安全保障省の元首席補佐官だったマイルズ・テイラー氏。現在は米CNNにコメンテーターとして出演している。
テイラー氏は28日に出した声明で、「私たちには、大統領に対して沈黙する恩義はない」、「彼とアメリカ国民に対して真実を述べる恩義がある」と述べた。
問題の記事が出た当時、ホワイトハウスは激怒し、筆者探しに躍起になった。トランプ氏は司法省に調査を求め、匿名筆者を「根性なし」とこき下ろした。

その後まもなく、テイラー氏はトランプ政権の内幕を、「警告」と題した本にまとめた。ただ、筆者は「匿名――トランプ政権高官」としていた。
「中身に注目してもらいたかった」
テイラー氏は声明で、「匿名での執筆については、さまざまな意見が出ている。簡単な決断ではなく、とても悩んだ。匿名で現職の大統領を強く非難することに反対する人がいるのは理解できる」と説明。
「しかし私の考えは単純明快で、今も同じだ。私が身元を明かさずに批判したことで、大統領は中傷や悪口を言うのではなく、その中身について直接答えるか、無視せざるを得なくなった。論考に注目を集めたかった」と述べた。

画像提供, Reuters

テイラー氏の声明に対し、ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官は、「職位の低い、不満をもった元職員」だとテイラー氏を評した。
マーク・メドウズ大統領首席補佐官は、テイラー氏の告白は「とてつもない恥」で、「(アニメの)『スクービー・ドゥー』に出てくる告白のほうがわくわくする」と述べた。
この日、アリゾナ州で選挙集会に臨んだトランプ氏は、「この男のことなど知らない。低い地位のごろつきだ」とテイラー氏について言及した。
だがAP通信によると、テイラー氏は国土安全保障省の会議で何度もトランプ氏と同席していたという。
飛び交った憶測
2018年の論考記事では、テイラー氏は自らについて、トランプ氏の行動を阻止しようとするひそかな「抵抗」勢力の一員だと紹介。
「トランプ氏に政治任命された多くの職員は、トランプ氏が政権を去るまで、彼の見当違いの衝動を阻止しつつ、民主制度を維持するためにできる限りのことをしようと決意している」と記した。
ニューヨーク・タイムズは掲載当時、トランプ政権の内側で起きていることを広く知らせる貴重なものだと、記事を擁護した。
ワシントンやメディアでは筆者をめぐってさまざまな憶測が飛び、マイク・ペンス副大統領やニッキー・ヘイリー国連大使(当時)らの名前が挙がった。










