【米大統領選2020】 勝敗はすぐ分かるのか、それとも待つことになるのか

11月3日夜に米大統領選の投票が締め切られた後、ドナルド・トランプ大統領とジョー・バイデン前副大統領のどちらが勝ったのか判明するまでに、何日も、場合によっては何週間もかかるかもしれない。
新型コロナウイルスの感染対策のため、11月1日午後までに9300万人以上が期日前投票を済ませているのに加え、通常の数倍の有権者が投票用紙を郵送している。それが開票作業の遅れに拍車をかけるとみられている。
トランプ氏は3日の内に結果が出ないのはおかしいと主張しているが、選挙当日に結果が出ないのは珍しいことではない。

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普段はいつごろ結果が出るのか
投票の締め切り時間は州によって異なる。一番早いのは東部諸州の午後7時(日本時間4日午前9時)だ。
在外投票を含めすべての票が投票日の当日に集計されることは決してないが、通常は各州の勝者が判明する程度には開票が終わる。
そうした部分的な開票状況と出口調査の結果を合わせて、通常はアメリカの主要マスコミ各社が選挙当日の夜に各州の大勢を判断する。それを集計してどちらかの候補が選挙人538人の過半数、つまり270人を確実に獲得すると判断した時点で、報道機関が「当選確実」と報道する。
これはあくまでも、マスコミ各社による見通しであって、正式な最終結果ではない。
2016年の前回大統領選では、ウィスコンシン州でトランプ氏が勝つと各社が判断したのが、投票日翌日の東部時間午前2時半(日本時間11時半)だった。これで選挙人276人を獲得したことになり、「トランプ勝利」と各社が速報した。
なぜ今年は違うのか
郵便投票の集計は、投票所での投票より時間がかかる。封筒の開封作業や、署名や住所の確認などが必要となるからだ。
激戦州のフロリダやオハイオは、投開票日より前に郵便投票の封筒の開封を認めているため、当日に集計が終わる可能性がある。一方で、同じく激戦州のウィスコンシンやペンシルヴェニアでは、投票日まで開票作業を始められないことに州法で決まっており、大勢判明には数日かかるだろうと両州の選管関係者は警告している。
特に選挙人20人を擁するペンシルヴェニア州は、両候補の勝敗を大きく左右するとみられている。つまり、この州の大勢判明に時間がかかると、全体の勝敗判明にも時間がかかる可能性がある。

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州によって開票と集計の方法が異なることも、大勢判明の遅れにつながるかもしれない。
郵便投票の開票作業を投票日まで始めない州では、早い時点での開票結果はトランプ氏優勢となるだろうと言われている。当日に投票所を訪れて投票する人は、民主党支持者よりも共和党支持者が多いだろうとされており、その票の方が先に集計されるからだ。
一方で、3日より先に期日前投票や郵便投票の開票を始める州では、早い時点の結果はバイデン氏優勢となりそうだ。これは、期日前や郵便での投票は民主党支持者の方が多いとされているからだ。
遅れて届く票の影響も
約半分の州は、11月3日までの消印のものなら、投票日以後に届いた投票用紙も受理する。この場合は当然、一部の票は開票日の後に集計されることになる。
このほか、郵送用の投票用紙を申請したものの、これを投票所に直接持ち込む人も出ている。こうした票は二重投票を防ぐ確認作業が必要となるため、開票が後回しになる場合がある。
米紙ワシントン・ポストによると、今年3月以降に23州で行われた各種選挙では、開票をほぼ全て終えるまでに平均して4日かかっている。これが今回の開票においても指標になるかもしれない。
3日に各地の投票所を訪れる有権者ももちろん、数百万人いる。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で投票所スタッフが不足している地域もあり、通常より投票所が少ないなど、各地で長蛇の列が予想される。
選挙のたびに問題になる投票機械の故障などもあり得る。
さらにすでに、投票日以降に届いた票の受理について、あるいは臨時投票所で投じられた票の正当性について、共和党が各地で様々な訴訟を起こしている。
票はどうやって集計するのか

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集計方法は州によって異なるが、通常は紙の投票用紙は封印して1カ所に集めて数える。電子票も自動的にこの開票所に送信されるが、メモリースティックなど記録メディアで運ばれることもある。
開票所に集められた票は通常、機械で高速処理される。これに郵便投票の結果が加算される。
両候補は結果を受け入れるのか
バイデン氏は、完全な開票結果を受け入れると述べているが、「すべての票を数える」必要があると強調している。
2016年にトランプ氏に対して、全国的な得票数では上回ったものの選挙人数で敗れたヒラリー・クリントン氏は、3日当日にどういう展開になってもバイデン氏は決して「負けを認めてはならない」と助言。「長引くと思う」と述べている。
トランプ氏は以前から、郵便投票は不正選挙につながると、裏付けなしに主張。また支持者に、投票所を監視するよう呼びかけている。
もしも自分が敗れた場合は平和的な権限移譲に応じるかと再三質問されているが、態度を明確にしていない。
トランプ氏は最高裁が勝敗を決めることになるだろうとも述べている。
これは実際に2000年大統領選であったことで、民主党候補のアル・ゴア氏が大票田フロリダ州のすべての票の再集計を求めたものの、最高裁がこれを却下し、共和党のジョージ・W・ブッシュ氏に勝利をもたらした。ブッシュ氏の勝利が決まるまでには36日間を要した。
トランプ氏は11月1日の時点で、3日中に結果が決まらないのはおかしいと主張しており、ただちに弁護団を投入して法廷闘争に持ち込む構えを見せている。これに対して、バイデン陣営も大人数の弁護団を揃えて、対抗する姿勢だ。










