トランプ政権に食料支援の継続を命令、米連邦2地裁 政府機関の閉鎖中であっても

画像提供, Universal Images Group via Getty Images
アメリカで政府機関の閉鎖が続くなか、ドナルド・トランプ政権は、低所得者4000万人以上が利用する「フードスタンプ(食費補助)」の支給停止を予定している。これに対し、連邦裁判所2カ所が10月31日、停止を認めない決定を出した。
ロードアイランド州とマサチューセッツ州のそれぞれの連邦裁の判事は、「フードスタンプ」として知られる連邦政府の「補充的栄養支援プログラム(SNAP)」について、政府が緊急基金を使って続けなければならないとした。
このプログラムでは、必要な食料品の購入に使える、再チャージ可能なデビットカードが対象者に提供される。4人家族の場合、平均で月715ドル(約11万円)を受け取る。1人当たりの1日分に換算すると6ドル(約930円)弱になる。
農務省(USDA)は今週、政府機関の閉鎖によって「井戸が枯れた」とし、SNAPの11月分の支給を見送ると発表した。
これを受けて半数の州がトランプ政権を提訴。政府に、SNAPのために緊急基金約60億ドルを使うよう求めている。
マサチューセッツ州連邦地裁のインディラ・タルワニ判事は今回、政府は給付金を支払うために緊急基金を利用する必要があると判断。少なくとも11月分の給付金の一部を認めるかについて、11月3日までに裁判所に報告するよう指示した。
また、「議会は充当した資金の不足が判明した場合、必要であれば減額のうえ、SNAP給付金を支給することを意図した」と主張している各州が、裁判で勝つ可能性が高いと説明。農務省が連邦政府からの資金が途絶えた時に緊急基金を利用するのは法律で禁じられているとした、トランプ政権の「結論づけは誤り」だとした。
農務省はこれまで、給付金の全額支払いには毎月85億~90億ドルかかり、緊急基金では足りないと主張。同省のブルック・ロリンズ長官は、この基金を使うのは自然災害のような緊急事態の場合だけだとしていた。
一方、ロードアイランド州連邦地裁のジョン・マコネル判事は決定で、「家族の食料を買う資金を得られるのかと、一部の人が恐怖を覚えている。そのことで回復不可能な損害がまだ発生していないとしても、これから間違いなく発生する」と指摘した。
「飢えを政治の武器にすることは認められない」
今回の両裁判所の決定について、ホワイトハウスと農務省はコメントしていない。BBCは、行政管理予算局にもコメントを求めている。
ロリンズ農務長官は、決定が出される前の記者会見で、裁判所が緊急基金を使うよう命じた場合に政権として応じるかと問われると、「あらゆる選択肢を検討している」と答えていた。
ロードアイランド州での訴訟に関わっているグループは、今回の決定を「SNAPに頼って食卓に食べ物を用意している何百万もの家族、高齢者、退役軍人にとって生命線だ」と説明。「いかなる政権も、飢えを政治的な武器として使うことは認められないという基本原則を改めて確認するものだ」と述べた。
もうすぐ2カ月目に入る連邦政府機関の閉鎖をめぐっては、共和党と民主党が責任のなすりあいを続けている。合意に向けた意味ある進展はみられていない。








