スイスのスキーリゾートのバーで出火、多数死傷

白い壁の建物が並び「Crans」という標識に書かれた道沿いに、警察車両が数台停車している。また、蛍光黄色のベストを着た警官が数人立っている

画像提供, EPA

画像説明, バーから出火した現場の近く(1日、スイス・クランモンタナ)

スイス南部ヴァレー州の高級スキーリゾート地、クランモンタナのバーで1日午前1時半(日本時間同9時半)ごろ、爆発による火災が発生した。地元当局は、約40人が死亡、115人が負傷したとみられると明らかにした。

当局によると、火災現場は観光客に人気のバー「ル・コンステラシオン」。被害者の国籍は様々で、負傷者のほとんどが重度のやけどを負っているという。

当局は、死者の人数は約40人だと明らかにした。犠牲者のやけどの程度が重いため、身元確認が難航しているといういう。

ヴァレー州のマティアス・レイナール州知事は、「遺体の身元確認と、負傷者の身元確認は、家族たちにとってはまだひどく時間がかかるかもしれない。そのことを私たちは痛感している」と話した。

クランモンタナはスイス・アルプスの中心にある高級スキーリゾートで、スイスの首都ベルンから約190キロ、自動車で約2時間の場所にある。

動画説明, スキーリゾートのバーで火事が起きている様子の映像

現地当局は記者会見で、出火原因には触れなかった。ただし、ヴァレー州のベアトリス・ピルー検察長官は「今のところ、火事と言う見方に傾いている。攻撃だった可能性はまったく出ていない」と話した。

ピルー氏は、遺体の身元確認と遺族への返還には「相当の努力が必要になる。それにはこの地区を閉鎖する必要がある」と述べた。

現場にはヘリコプター10機、救急車40台、救急隊員150人が派遣された。

現地の病院の集中治療室は満員で、やけどの専門医がいる施設に患者を移送している状況だという。

一部の被害者は、スイス国内のローザンヌやチューリッヒなど、やけど専門部門のある病院に搬送されたという。

ローザンヌ大学病院の広報担当は、やけどを負った22人を治療していると明らかにした。チューリッヒ大学病院は、12人のやけどの手当てをしていると述べた。

イタリア外務省はBBCに、現時点でイタリア国民16人が行方不明で、12~15人が病院で治療中だと話した。

フランス外務省は、フランス国民8人が行方不明だとして、死者の中にフランス人がいる可能性は除外できないと述べた。

スイス南部ヴァレー州と、出火現場の位置を示す地図

複数のフランス・メディアは、火災による負傷者のうち少なくとも2人がフランス国籍だと報道。フランス内務省の声明を引用し、この2人の国民が「直ちに緊急サービスによる対応を受けた」と伝えている。

フランス内務省は、「外務省の領事チームは、ほかにも国民が関係している場合に備え、スイス当局と常時連絡を取っている」としている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はソーシャルメディア「X」で、クランモンタナの火災に触れ、「遺族や負傷者に思いを寄せている。スイスと、その国民と当局に、フランスの全面的な連帯を同胞としての支援を提供する」と書いた。

イタリアのアントニオ・タヤーニ外相は1日、重度のやけどを負った被害者に対応するため、ミラノのニグアルダ病院のやけど治療部門が協力すると述べた。

外相はさらに、スイスのヴァレー州と国境を接するアオスタ渓谷地域の緊急サービスが、スイス側を支援するため用意を整えているとも述べた。

スイス駐在のイタリア大使は、クランモンタナで発生した火災による死者の身元確認には数週間かかるだろうと、イタリアのテレビに話した。

黒いテーブルやいすが並び、外には救急車が見える

画像提供, Police Cantonale Valaisanne

画像説明, 現地警察が公表した、「ル・コンステラシオン」のテラス席の写真
黒い椅子に裏返ったクッションのようなものが置いてある

画像提供, Police Cantonale Valaisanne

画像説明, 現地警察が公表した、「ル・コンステラシオン」のテラス席の写真
紫の照明の下、カウンターに向かって椅子が並び、カウンターの中にはグラスが並んでいる。奥の壁に「Le Constellation」と書かれている

画像提供, Google Maps

画像説明, 2024年11月に撮影されたバーの内部の様子

「ル・コンステラシオン」は最大300人を収容できるバーで、小さなテラスがあった。上の階にはサッカーの試合などを見るためのテレビ画面のある部屋があり、下の階の大きなバーは大勢が飲んだり踊ったりする空間だった。

ただし、大みそかから新年にかけて店内に何人いたのか、正確な人数はまだ分かっていない。

通常の閉店時間は午前2時で、今回の火災はその30分前に発生した。大みそかから元日にかけて、営業時間を延長する予定だったかどうかは不明。