トランプ米大統領とブラジルのルラ大統領が電話協議、「友好的な」雰囲気と両政府

ダークスーツを着た、白髪のブラジルのルラ大統領が、前方を見つめている

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画像説明, ブラジルのルラ大統領はかねて、アメリカのトランプ大統領が「皇帝」のように振る舞っていると非難してきた

アメリカのドナルド・トランプ大統領とブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ大統領は6日、電話で協議した。トランプ氏が7月にブラジルからの輸入品に50%の関税を課し、ルラ氏が税率の引き下げを求める中での協議となったが、両国は友好的かつ前向きな雰囲気だったとしている。

この日のビデオ通話の中で、ルラ氏は、ブラジルからの輸入品に対する関税の大半を撤廃するようトランプ氏に要請したという。トランプ氏は「非常に良い電話協議」だったとソーシャルメディアに投稿した。

両首脳が正式に話をしたのは、先月に米ニューヨークで開かれた国連総会で短く言葉を交わして以来。

両国関係は、ブラジルの極右政治家のジャイル・ボルソナロ前大統領が2022年大統領選挙での敗北を覆す企てに関わったとして訴追された後の7月に、トランプ氏がブラジル製品に50%の関税をかけたことで、冷え込んでいた。

ルラ氏は当時、トランプ氏が外国に干渉し、「皇帝」のように振る舞っていると非難していた。

しかし、ブラジル政府の発表によると、両首脳は6日、30分にわたり「友好的なやり取り」を交わし、ニューヨークで「意気投合したことについて振り返った」という。

両国関係を「回復する」機会になるか

ルラ氏は今回の協議を、「西側最大の二つの民主主義国家」間の友好関係を「回復する」機会と形容。アメリカが対ブラジル貿易で黒字を計上していることを改めて強調した。

ルラ氏はブラジル製品に対する関税を10%に戻すこと、そして一部のブラジル当局者に対する制裁を解除することをトランプ氏に要請した。

両首脳は今後も直接連絡を取り合えるよう、電話番号を交換したという。

トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「(今回の電話協議は)主に両国間の経済と貿易に焦点を当てたものだった」と投稿。

「今後さらに議論を重ね、近い将来、ブラジルとアメリカの両方で会うつもりだ」と、トランプ氏は述べた。

ブラジルのジェラルド・アルキミン副大統領は、「予想以上に良い」電話協議だったと評価。両国間の協議について楽観的な見方を示した。

ルラ氏は、ブラジル・ベレンで来月開催される第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)にトランプ氏を招待したほか、マレーシアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)サミットに合わせて会談を行うことも提案した。さらに、自身がアメリカを訪問する意向も示した。

トランプ氏は、マルコ・ルビオ米国務長官を、ブラジルの副大統領、外相、財務相との交渉継続を担う責任者に任命した。

ルラ氏に近いブラジル政府関係筋がBBCに語ったところによると、関税問題の交渉責任者にルビオ氏が任命されたことについて、アルキミン副大統領率いるチームが現在協議しているという。

この情報筋は、ルビオ氏がトランプ政権のいわゆる「イデオロギー派」の一員とみなされているという事実を、ブラジル政府が気にかけていないわけではないと語った。

一方で、ブラジル政府としては、トランプ氏とじかに連絡が取れない人物よりも、トランプ氏と直接つながりがあり、同氏の承認を得ている交渉者の方が望ましいとも、情報筋は付け加えた。

両国の交渉に関わる別の情報筋は、BBCブラジルの取材に匿名で応じた。ルラ政権は実のところ、ルビオ氏以外の交渉相手を望んでいたのだと、この情報筋は率直に語った。