トランプ政権、アメリカのユネスコ再脱退を表明

フランス・パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部前に、国連の旗が掲げられている。その下に、加盟国の国旗が並んでいる

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画像説明, フランス・パリに本部を置く国連教育科学文化機関(ユネスコ)は194カ国が加盟し、世界遺産の登録機関として知られる。画像はユネスコ本部前に掲げられた国連の旗や、加盟国の国旗(4月)

アメリカは22日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)を脱退すると表明した。ユネスコが「分断的な文化や社会の大義」を支持していると、ドナルド・トランプ政権は非難している。トランプ政権下でアメリカがユネスコを脱退するのは、2018年以来2度目。

ユネスコのオードリー・アズレ局長は、アメリカの決定について「遺憾」ではあるが「予想していた」ことだと述べた。

今回の動きは、国際機関との関係を断ち切る、トランプ政権の試みにおける最新の措置。同政権はこれまでも、世界保健機関(WHO)や、気候変動への国際的な取り組みを決めた2015年の「パリ協定」から離脱したほか、対外援助予算を削減している。

現在、194カ国が加盟するユネスコは、世界遺産の登録機関として広く知られている。アメリカの正式な脱退は2026年12月になるという。

米国務省は、ユネスコの「国際開発のためのグローバリスト的かつイデオロギー的な方針」は「アメリカ・ファーストの外交政策と相容れない」としている。

また、2011年にユネスコがパレスチナの加盟を認めたことについても、「米政策に反するもので、ユネスコ内での反イスラエル的な論調を助長した」と指摘した。

これに対し、アズレ局長は、「ユネスコの取り組み、特にホロコースト(第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人などの大虐殺)教育や反ユダヤ主義との闘いに関する取り組みの実態と矛盾する」主張だと反論した。

「今回の決定は、多国間主義の基本原則に反するものだ。そして何よりもまず、世界遺産登録や創造都市認定、ユネスコチェア(知の交流と共有を通じて、高等教育機関および研究機関の能力向上を目的とするプログラム)認定を目指す、米国内の多くのパートナーに影響をおよぼす可能性がある」とも、アズレ氏は付け加えた。

アズレ氏は、ユネスコは米政府の動きを見越して、資金源の多様化を進めてきたとし、現在ではアメリカの拠出額は同機関の予算全体の8%程度だと説明した。

過去にも離脱、資金停止も

トランプ氏は大統領1期目の2017年にも、アメリカのユネスコ脱退を決め、2018年末に正式離脱した。アメリカはその後、ジョー・バイデン前政権下の2023年にユネスコに再加盟した。

バラク・オバマ政権時代の2011年には、ユネスコがパレスチナの正式加盟を認めたことを受けて、アメリカは同機関への6000万ドルの拠出を停止した。

国務省の当時の報道官は、パレスチナを正式加盟させた国連機関への資金提供が米国法で禁止されているため、オバマ氏がやむを得ず対応したと説明していた。

フランス・パリに本部を置くユネスコは、第2次世界大戦の終結から間もない1945年11月に、教育や芸術、科学、文化を通じた国際協力によって、平和と安全を促進することを目的に設立された。