朝のニューヨーク中心部で保険大手トップが射殺される 計画的犯行と米警察

情報提供を求める貼り紙

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画像説明, 警察は容疑者につながる情報の提供者に1万ドル(約150万円)の報奨金を支払うとしている。画像は情報提供を求める貼り紙

アメリカ・ニューヨークで4日朝、米医療保険大手ユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)が銃撃され死亡した。ニューヨーク市警は顔認証技術と、現場に残されていた携帯電話を使い、容疑者の特定を進めている。

警察によると、トンプソンCEO(50)はニューヨーク・マンハッタンのミッドタウンにあるヒルトンホテルの前で、4日午前6時45分ごろ、背中などを撃たれて死亡した。

容疑者はトンプソン氏の所持品を奪うことなく、現場から逃走した。警察は、トンプソン氏の殺害が事前に計画されたものとみている。

銃撃と逃走についてわかっていること

銃撃があったのは、マンハッタンのタイムズスクエアとセントラルパークに近い繁華街。トンプソン氏はこの日、投資家会議で講演予定だった。

警察によると、容疑者は黒色のフェイスマスクに、クリーム色のジャケットを着ていた。トンプソン氏が講演するヒルトンホテルの外で、5分ほど待ち伏せしていたとみられる。

徒歩で到着したトンプソン氏は背中と脚を撃たれ、搬送先の病院で死亡が確認された。

ニューヨーク市警のジョセフ・ケニー刑事部長は、容疑者の武器には不具合があったようだが、容疑者はそれをすぐに直し、銃撃を継続したようだと明らかにした。

事件を捉えた複数動画には、現場から歩いて逃走する容疑者の姿が映っている。セントラルパークで電動自転車に乗るのが目撃されて以降、足取りはつかめていないという。

銃撃の数分前に現場近くのスターバックスを訪れた容疑者の画像

画像提供, ニューヨーク市警

画像説明, 銃撃の数分前に現場近くのスターバックスを訪れた容疑者の画像

捜査状況

これまでのところ、警察の捜査は、容疑者の特定につながるいくつかの手がかりを中心に進められている。

銃撃の数分前に現場近くのスターバックスに立ち寄る容疑者の姿が撮影されていたと、警察は明らかにした。

この画像では、容疑者は口元をフェイスマスクで覆っているのがわかる。犯行時にはさらに顔が覆われていて、目と鼻の一部だけが見える状態だったと、警察関係者はBBCがアメリカで提携するCBSに語った。

捜査当局はこの画像をもとに、顔認証ソフトを使って容疑者の特定を進めている。

さらに警察は、現場から押収した薬きょうと実弾それぞれ3個ずつのDNA鑑定を進めている。

容疑者が逃走時に歩いたとみられる路地からは携帯電話1台が見つかった。警察はその携帯電話を「調べている」ところだとしている。

捜査官はまた、トンプソン氏が滞在していた現場近くのマリオット・ホテルの部屋も捜索する方針としている。

動機は不明のまま

捜査当局は今のところ、殺害の動機を特定していない。警察は容疑者がトンプソン氏の所持品を何も奪わずに逃走したとしている。

MSNBCのインタビューで、トンプソン氏の妻は詳細は明かせないとしつつ、過去にトンプソン氏に対する「脅迫があった」と語った。

「彼(トンプソン氏)が自分を脅している人たちがいると言っていたことだけ知っている」

トンプソン氏の自宅があるミネソタ州メープル・グローヴの警察によると、2018年に、自宅で不審な事案が1件起きていた。

この出来事では、犯罪行為が確認されなかったという。それ以上の詳細は明らかにされていない。