【ミラノ・コルティナ五輪】 スキージャンプ男子選手、スーツ対策で性器に注射との報道 会見で質問出る

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スキージャンプの男子選手らが、パフォーマンス向上のために性器に注射している――。ミラノ・コルティナ・オリンピック(五輪)の開幕を目前に、そんな話が関心を集めている。世界反ドーピング機関(WADA)は、証拠が明らかになれば調査するとしている。
この疑惑は、ドイツ紙ビルトが先月報じた。ジャンプ選手らが競技用スーツの採寸前に、陰茎にヒアルロン酸を注射しているとした。
ヒアルロン酸は、陰茎の周囲長を1~2センチメートル増加させる効果がある。スポーツ界では禁止されていない。効果は最大1年半持続するとされる。
陰茎を大きくすることは、スーツ表面積の増加につながる。スーツの股の部分の高さは、選手の股の高さに合わせて決まるためだ。
スーツの表面積が増せば、ジャンプの滑空中、揚力を受けやすくなる。結果として、滑空距離が伸びる可能性がある。
「スーツの表面積は1センチでも重要だ。表面積が5%大きくなれば、より遠くまで飛べる」。国際スキー・スノーボード連盟(FIS)のスキージャンプの男子競技ディレクター、サンドロ・ペルティレ氏はそう話す。
そのため、スーツのサイズは厳しく規定されている。2022年の北京冬季五輪では、混合団体で高梨沙羅選手が大ジャンプを決めたが、直後にスーツの規定違反で失格となった。
ジャンプ選手らは毎シーズン、開幕前に3Dボディスキャナーによる測定を受ける。この時着用できるのは「伸縮性のある体に密着した下着」のみ。股の高さも計測される。
規則では、競技用スーツの許容誤差は、実測値から2~4センチメートルと定められている。男性の場合、股の部分の高さは3センチまでゆとりが認められている。
「証拠は一切ない」とFIS
ビルトの報道をめぐっては、ミラノ・コルティナ冬季五輪の記者会見で質問が出た。
WADAのオリヴェエ・ニグリ事務局長は、「スキー・ジャンプの詳細や、それがどう成績向上につながるのか把握していない」と回答。
「何かが表面化した場合は、ドーピングが絡んでいるか調べる。私たちは(ドーピングではない)パフォーマンス向上の手段には対処しない」とした。
WADAのウィトルド・バンカ委員長(ポーランド出身)は、この質問を明らかに愉快に感じた様子で、「スキーのジャンプはポーランドで非常に人気があるので、必ず調べると約束する」と冗談交じりに答えた。
FIS広報責任者のブルーノ・サッシ氏は、BBCスポーツに対し、「競技で優位になるためにヒアルロン酸注射を利用した選手がいると示唆するものや、ましてや証拠などは、これまで一切存在していない」と述べた。
ジャンプのスーツをめぐっては、改造でパフォーマンス向上を試みた例が過去にある。
昨年8月には、ノルウェーの五輪メダリストのマリウス・リンヴィク選手とヨハン・アンドレ・フォルファン選手が、3月にノルウェー・トロンハイムで開催された世界スキー選手権のジャンプ男子ラージヒルでのスーツ改造に関わったとされ、3カ月の出場停止処分を受け入れた。
その後、両選手は不正を認識していなかったことが判明したが、FISはノルウェーのチームを、スーツに補強糸を縫い込むことで「システムを欺こうとした」と非難した。
両選手は、6日正式開幕となるミラノ・コルティナ冬季五輪に出場の予定。スキージャンプ男子の競技は9日に始まる。







