イギリス、ノルウェー駐留部隊の増強を発表 ロシアの脅威に対抗するためと

雪山を背景に、グレーの軍用ヘリコプターに乗り込む人々。地面も雪で覆われている

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画像説明, 北極圏における北大西洋条約機構(NATO)のプレゼンスについて協議するためにノルウェーを訪問したイギリスのクーパー外相は、ヘリコプターに搭乗した
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イギリス政府は11日、北極圏におけるロシアの脅威に対抗する取り組みの一環として、今後3年間でノルウェーに駐留する英部隊を増強する方針を発表した。

ジョン・ヒーリー英国防相はこの日、ノルウェーに駐留する英兵の数を現在の1000人から2000人に倍増させる方針を示した。

ヒーリー氏によると、ロシアは「冷戦時代の基地を再運用するなど、この地域での軍事プレゼンスを急速に再構築している」という。

こうした懸念は欧州全体で共有されている。ロシアが4年前にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、欧州大陸ではロシア政府の攻勢が強まっている。

「防衛への需要は高まっている。ロシアは冷戦以来最大の脅威を北極圏およびハイノース(極北)にもたらしている」とヒーリー氏は述べた。ハイノースは、地球の最北部を意味する用語で、北極圏およびその周辺地域を指す。

ヒーリー氏は12日、ベルギー・ブリュッセルのNATO本部で、同盟国各国の国防相らと今回の提案について協議する予定。

今回の発表の数週間前には、北極圏に位置するグリーンランドをめぐり、欧州諸国とアメリカの間で亀裂が生じた。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ロシアと中国からの脅威を理由に、デンマーク自治領グリーンランドを取得するつもりだと警告していた。しかしその後、併合計画を撤回したとみられる。

イギリスのイヴェット・クーパー外相が提案した「アークティック・セントリー」(北極の哨兵)作戦は、北極地域の監視と安全保障の強化が目的で、「バルト・セントリー」(バルトの哨兵)や「東部セントリー」といったNATOの既存の作戦をモデルとしている。

同地域での軍事プレゼンス強化の一環として、3月には1500人の英海兵部隊がNATOの演習「コールド・レスポンス」に参加する。この大規模演習はノルウェー、フィンランド、スウェーデンにまたがって実施され、極寒の北極圏で連合軍が訓練する。

9月には、イギリス主導の「統合遠征部隊(JEF)」が、演習「ライオン・プロテクター」を実施する予定。これにはヨーロッパの複数国の空・陸・海軍が参加する。

英政府によると、ノルウェー、アイスランド、デンマークの海峡における重要インフラを攻撃や破壊工作から防衛する訓練が行われるという。

イギリスとNATOの同盟国は、ロシアによるウクライナ全面侵攻後の緊張の高まりを受け、ロシアが海底ケーブルやパイプラインに及ぼすリスクについて、懸念を強めている。

イギリスとノルウェーは昨年、海底ケーブルの保護を目的とした防衛協定に署名した。これにより、両国の海軍はロシアの潜水艦を追跡するための共同艦隊を運用することになった。

イギリス国防省によると、英領海に出現したロシアの潜水艦は過去2年間で30%増加した。

また、北大西洋におけるロシアの潜水艦の活動は、冷戦時代と同水準に戻っているという。