アメリカ、冬季五輪に移民当局の職員を派遣へ イタリアで怒りの声

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米当局は27日、来月6日にイタリアで開幕するミラノ・コルティナ冬季オリンピックの期間中、現地でアメリカの警備活動を支援するため、移民税関捜査局(ICE)の一部門を派遣する方針を明らかにした。ICEは、ミネソタ州ミネアポリスで職員が射殺事件に関与した組織。イタリアでは反発の声が出ている。
ICE職員らの派遣をめぐっては、報道が先行し、イタリアで警戒と怒りの声が上がった。その後、複数の米当局が認めた。
国際的な大規模イベントで、アメリカの国土安全保障省(DHS)や法執行機関が警備を支援することはよくある。
DHSは、「オリンピックにおけるすべての警備活動は、もっぱらイタリア当局が指揮・管理する」と強調した。
米当局は、ICEの一部である国土安全保障捜査局が、「外交安全保障局やイタリア当局と協力し、国際犯罪組織からのリスクを精査し軽減するための、完全に支援的な」役割を担うと述べた。
DHSのトリシア・マクラフリン報道官は、米国外で移民取り締まり活動をすることは「当然」ないとBBCに話した。
オリンピックが開催されるミラノのベッペ・サラ市長は27日、「これは殺人を行う武装組織だ。(中略)もちろんミラノでは歓迎されない」とイタリアのラジオ局RTLで述べた。
中道左派の同市長はまた、「私は(ICE職員は)イタリアに来るべきではないと思っている。私たちの民主的な警備方法に準じると、彼らが保証しないからだ」とした。
一方、同国のアントニオ・タヤーニ外相は同日、緊張を和らげようと、「(ナチスの)親衛隊が来るわけではない」と記者団に話した。外相はこの日、「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」の式典に出席していた。
同外相はまた、ICE職員らがイタリアの街中に現れることはないと説明。警察、軍警察(カラビニエリ)、財務警察(グアルディア・ディ・フィナンツァ)の警官だけが姿を見せると述べた。
そして、イタリアに派遣されるICE職員は「機関銃を持ち、顔を覆った人たちではない。(中略)テロ対策を担当する部署にいるから来るのだ」と話した。
ロンバルディア州のアッティリオ・フォンタナ知事も、事態を沈静化しようと、ICE職員はアメリカのJ・D・ヴァンス副大統領とマルコ・ルビオ国務長官の警護のためにイタリアに派遣されると説明した。

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イタリアのマッテオ・ピアンテドージ内相は当初、ミラノ・コルティナ五輪に米入管当局の職員が送り込まれることを知らなかったようだった。内相は、外国の代表団は自分たちで警備を選ぶことができるとし、「何が問題なのかわからない。ごく普通のことだ」と述べていた。
しかし、米ミネアポリスから発信される映像による衝撃が高まるにつれ、射殺事件に関与しているのと同じ米連邦機関の職員がイタリアの街角に現れることへの反発が、同国内で膨らんでいる。
ミネアポリスでは今月7日、ICE職員が路上でルネー・ニコール・グッドさんを射殺。24日朝には、DHSの国境警備隊がアレックス・プレティさんを射殺した。プレティさんの事件後には、イタリアの公共放送局RAIの記者2人が市内で車に乗って取材中、ICE職員から、撮影を続けるなら車の窓ガラスを割ると脅された。
「五つ星運動」党のバルバラ・フロリディア上院議員など、右派のジョルジャ・メローニ首相と対立する政治家らは、この問題で政府が沈黙を続ければ、「ドナルド・トランプ(米大統領)に対する弱気と従属の証拠がさらに(増える)」と警告している。
こうした動きを受け、ピアンテドージ内相は、より強い姿勢を示すようになっている。26日には、「ICEがイタリアの国土で活動することはない」と述べた。
また、アメリカからは警備要員のリストを受け取っていないと説明。警備はイタリアが保証するとした。









