アイスランド南西部で噴火、近くの町に溶岩流出し住宅火災 全住民が避難

動画説明, 溶岩流が町に到達、家屋を焼きながら進む……アイスランド南西部

アイスランド南西部レイキャネス半島で14日朝、噴火が起き、流れ出た溶岩が近くの町に到達し、複数の住宅が燃える被害が出た。町の全住民が避難を余儀なくされた。

半島南端にある、漁業が盛んな町グリンダヴィーク(人口約4000人)近くでこの日、地面に走った2つの亀裂から溶岩が流れ出た。

この噴火について、「最悪のシナリオ」になり得ると指摘する専門家もいる。

同国の警戒レベルは、3段階で最も高い「緊急」に引き上げられた。これは、人やコミュニティ、財産、環境に対する危害の恐れがあることを示すレベル。

レイキャネス半島では2021年以降、14日のものを含む5回の噴火が起きている。

周辺では昨年12月にも噴火が起き、後に防護壁が建設された。しかし、防護壁は今回流れ出た溶岩を部分的にしか食い止められなかった。

町へ続く主要道路は、溶岩によって寸断されている。

アイスランドのグドゥニ・ヨハネソン大統領は14日夕、生中継された国民向け演説で、「お互いを支え合い、自宅にとどまれない人々へ思いやりを持つ」よう求めた。

ヨハネソン大統領は事態が落ち着くことを望むとしつつ、「何が起きても不思議ではない」と述べたと、AFP通信は伝えた。

昨年12月のスヴァルツェンギ火山系の噴火の前には、強い地震が発生した。

アイスランドのレイキャネス半島の噴火

画像提供, Reuters

画像説明, アイスランドのレイキャネス半島の噴火。溶岩と噴煙が吹き上がっている

12月の噴火がおさまったことでグリンダヴィークに戻っていた住民は、再び家を追われた。

科学ジャーナリストで火山学者のロビン・アンドリュース氏は、溶岩が町に流れ出している現状は、「極めて危険で有害な状況」にあると指摘。地面に入った2つの亀裂からの溶岩の流出スピードが「一向に減速する気配がない」と、BBCに語った。

「噴火の期間や被害の深刻さついては現時点では予測不可能」だという。

火山活動では二酸化硫黄などが噴出されるため、呼吸器系の持病がある人にとっては、噴火がおさまった後も「かなり問題がある」可能性があると、アンドリュース氏は警告した。

レイキャネス半島に広がる溶岩

画像提供, Reuters

画像説明, レイキャネス半島に広がる溶岩

アイスランドのカトリン・ヤコブスドッティル首相は15日にも、避難者の住居対策について協議するとしている。

「今日(14日)はグリンダヴィークにとって、そしてアイスランドにとって暗い日だが、陽はまた昇る」と首相は述べた。「私たちは共にこのショックに対処し、これから何があろうとも対処していく。私たちの思いと祈りは皆さんと共にある」。