アルゼンチン、通貨ペソを大幅切り下げ 「経済のショック療法」と新大統領

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アルゼンチン政府は12日、自国通貨ペソを対ドルで54%切り下げると発表した。10日に就任したばかりのハヴィエル・ミレイ大統領は、ここ数十年で最悪の経済危機を脱すると公約しており、通貨の切り下げは、その一環としての「経済的なショック療法」だという。
ルイス・カプト経済相によると、公定為替レートの切り下げにより、ペソは発表前の1ドルあたり約391ペソから800ペソとなる。
アルゼンチンは2019年以降、通貨の動きを厳しくコントロールすることで、人為的なペソ高を維持してきた。
そのため、非公式通貨市場で米ドルの需要が高まり、ペソは公式レートよりもはるかに低いレートで取引されるようになっていた。
カプト経済相はまた、公的支出の大幅削減も発表した。
これには、燃料や輸送に関する補助金の削減や、一部の大型公共事業や広告への支出凍結などが含まれている。
カプト経済相は、自分は同国史上最悪の経済状況を引き継いだと述べ、ハイパーインフレを避ける手段を取っていると説明した。
「特にインフレの面では、今後数カ月は以前より悪くなるだろう。私がこう言うのは、大統領が言うように、心地よいうそをつくより不都合な真実を話す方が良いからだ」
アルゼンチンは昨年、物価が約150%上昇し、高騰するインフレと闘っている。
また、現金準備金の少なさや政府債務の多さ、国民の40%が貧困ライン以下で生活していることなどに苦しんでいる。
同国に440億ドルを融資している国際通貨基金(IMF)は、通貨切り下げを「大胆」な措置と呼び、民間セクターが成長するための環境作りに役立つと述べた。
IMFのクリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事は、「決定的な対策を歓迎する」と述べ、「安定性を取り戻し、同国の経済的可能性を再建するための重要な一歩」だと評価した。
混乱招かずに支出を削減できるか
リバタリアン(自由至上主義者)のミレイ氏は、11月に行われた大統領選の決選投票で勝利。無名議員から一躍、国家のトップに躍り出た。
ミレイ氏は大規模な歳出削減を公約に掲げて選挙を戦った。選挙集会では、チェーンソーを振り回して政府支出削減の意図を示した。
だが、連立与党は議席数が3位にとどまっている。この連立政権が経済を混乱に陥れることなく、景気回復に必要な大規模な歳出削減を実施できるかはわからない。
ミレイ氏はすでに9省庁を廃止しており、カプト経済相によれば公的部門の雇用が34%削減されたという。
カプト氏は、インフラ計画に対する政府支出の削減について、「現実には、公共事業を増やすための予算はない。アルゼンチン国民なら誰でも知っているように、公共事業を増やしても、結局は政治家やビジネスマンの懐に入ることが多いからだ」と述べている。






