トラックの荷台でイギリス目指した女性たち……「息ができない」とBBC記者に助け求め

アリス・デイヴィース、BBCニュース

This short video clip sent to the BBC showed the women sitting in the cramped space of a truck filled with banana crates.
画像説明, 貨物トラックでイギリスを目指した女性たち。「息ができない」と助けを求めた女性がBBC記者に送った動画より

イギリスに向かうつもりで貨物トラックに乗っていた女性たちが27日、フランス中部からBBC記者に助けを求めた末、BBC記者から連絡を受けたフランス当局に保護された。フランス検察は28日、トラックに乗っていた女性6人のうち4人は強制退去の対象になると明らかにした。女性6人のうち4人はヴェトナム人、2人はイラク人という。

ロンドンを拠点とするBBCニュース・ヴェトナム語のクエ・B・ルー記者は27日の日中、知らない相手からメッセージを受け取った。「冷蔵トラックでフランスからイギリスに渡った人たちがいる」という内容で、その直後に今度は通話を受信した。

「あなた、ヨーロッパにいるの? お願い、助けて。緊急なの」と、パニックした声が飛び込んできた。

女性は全地球測位システム(GPS)の位置情報を記者に示し、そこからトラックがフランス中部リヨンの北を走る高速道路上にいることが分かった。

女性は記者に、コンテナの空調が切られて、「息ができない」のだと話した。

ルー記者はBBCの同僚やフランス在住の記者たちに協力を仰ぎ、警察に事態を知らせた。この間、仏紙ル・モンドのロンドン支局記者も状況を把握し、移民問題を専門とするパリ本社の同僚に連絡をとった。

同日午後5時ごろ、フランス東部ヴィルフランシュ・スル・サオーヌのレテティア・フランカール検事が、このトラックがリトアニアから来たことが分かり、トラックの運転手から事情を聴いていると発表した。

ルー記者たちが警察に連絡している間、運転手も警察に通報していた。コンテナから声がするため、人間が入り込んでいるのではないかと疑い、トラックを路肩に止めて、警察に電話したのだと検事は説明した。

複数の通報の情報を合わせて警察がトラックを発見し、コンテナを開くと、内部の温度は摂氏6度だったが、女性たちの体調は良好だったという。警察はこの時点で運転手を拘束したものの、その後の調べの結果、現在は容疑をかけられていないという。

フランカール検事によると、4人のヴェトナム人女性のうち1人は未成年。女性たちは、アイルランドの車両として登録されているトラックに乗り込んだ際、それでイギリスに入国できるものと考えていたという。

実際にはトラックは積み荷のバナナを、イギリス海峡に臨むフランス北西岸の港町ダンケルクまで運び、その後はイタリアへ向かう予定だった。

移民とみられる女性たちはそれぞれのスマートフォンで、トラックの進行方向が変わったことに気づき、慌て始めたのだという。女性の一人がBBCのルー記者に連絡をとったのは、その時点でのことだった。

フランカール検事は28日の声明で、女性6人のうち4人は国外退去の対象になるが、他の2人はフランス当局に難民認定を申請しており、その判定が出るまでフランス滞在が認められると説明した。どの4人が退去させられるのかは、明らかになっていない。