ブリュッセル連続攻撃、6被告がテロ殺人罪で有罪 発生から7年超で司法判断

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ベルギー・ブリュッセルの裁判所は25日、同市の空港と地下鉄駅で計32人が死亡した2016年3月の自爆攻撃で、テロによる殺人罪に問われた男性被告6人を有罪とした。事件発生から7年以上を経て司法判断が示された。
裁判は長期にわたり、陪審の評議も19日間続いた。
被告のうち何人かは、130人が死亡した2015年11月のパリ同時多発攻撃に関与した罪で、有罪判決を受けていた。
サラ・アブデスラム被告(33)は、ブリュッセル自爆攻撃の数日前に逮捕された。昨年フランスで、パリの同時多発攻撃に絡んで有罪判決を受けた。
同被告はパリの事件後、ベルギーに逃亡。4カ月後にブリュッセルで起きた自爆攻撃については、関与を否定していた。しかし同市の裁判所はこの日、殺人と殺人未遂の罪で有罪とした。
同じく有罪となったモハメド・アブリニ被告は、身に着けていた爆発物を起爆せず、ザベンテム空港から逃走する姿が監視カメラ映像で確認されていた。
この時に帽子をかぶっていたことから、「帽子の男」として知られるようになった。アブリニ被告は数週間後にほかの容疑者と共にブリュッセルで逮捕された。アブデスラム被告とは対照的に、アブリニ被告は爆発物を準備したことを自供。ブリュッセルでの攻撃における自身の役割を認めた。

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このほか、ウサマ・アタル被告、オサマ・クレイエム被告、アリ・エル・ハダッド・アスフィ被告、ビラル・エル・マコウキ被告もテロ殺人罪で有罪となった。
クレイエム被告はマルベックの地下鉄で自爆攻撃を行った人物と一緒にいるところを目撃されていた。同被告もバックパックに爆発物を詰め込んでいたが、起爆させなかった。
シリアからパリ同時多発攻撃を計画したとされる、ベルギー系モロッコ人のジハーディスト(イスラム聖戦主義者)のアタル被告は、欠席裁判にかけられた。同被告はシリアで死亡したと考えられている。
チュニジア人の被告1人とルワンダ人の被告1人は殺人罪では無罪となったが、ほかの6被告と共にテロ活動に加わった罪で有罪判決を受けた。兄弟のスマイル・ファリシ被告とイブラヒム・ファリシ被告は全ての罪状で無罪とされた。
事件に巻き込まれた人は
2016年3月22日のブリュッセルでの自爆攻撃は、約1時間の間に空港と地下鉄で立て続けに起きた。
午前8時前、ザベンテム空港の出発ロビーで2回の爆発が起き、16人が死亡した。
それから約1時間後、ブリュッセル市内の欧州連合(EU)本部に近いマルベックの地下鉄駅でも爆発があった。この爆発でも16人が死亡し、数百人が負傷した。
地下鉄での爆発から無傷で生還したというマティルド・ルモーさんと夫は、「まるで戦場のようだった」とBBC番組「ニューズアワー」に語った。「地下鉄の窓によじ登ってそこから外に出なければいけなかった。周りにはたくさんの遺体があり、負傷者がいた」。
何人かの負傷者を助けようとしたといい、「わずかな応急処置の知識で出来る限りのことをした」と、ルモーさんは話した。
ルモーさんは、「陪審員はこの7カ月間、本当に集中して、何百人という証言者の話を聞いていた」と述べ、25日の判決を歓迎した。
裁判所は、事件から数年後に死亡した別の3人も、攻撃の犠牲者とみなすべきとの判断を示した。そのため、この事件の死者数は35人となった。
この中には、昨年安楽死で亡くなるまで耐え難い精神病に苦しんだシャンティ・デ・コルテさん(23歳で死去)も含まれる。
ザビエル・ルグランさんは、地下鉄での爆発で負った傷の影響で、がん治療を中断せざるを得なくなり、2017年にがんで死亡した。
マチュー・フィッシャーさんは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で苦しみ、2021年に命を絶った。
裁判官は法廷で、自爆攻撃がなければ3人は「死ななかっただろう。少なくとも、同じ状況には陥らなかっただろう」と述べた。











