フィリピン・マヨン火山で溶岩が流出、1万3000人が避難

Lava flows from the crater of Mayon volcano in the Philippines

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画像説明, フィリピンのマヨン火山では、火口から溶岩が流れ出している

フィリピン北東部ルソン島のマヨン火山の活動が活発化し、溶岩が流れ出している。12日までに約1万3000人が避難した。

火山から半径6キロメートル以内の「永久危険区域」の住民らは、トラックや水牛が引く荷車などで避難している。

「完璧な」三角錐(すい)の形で知られるマヨン火山では、先週から溶岩が噴出していた。

しかし週末に活動が活発化したため、避難が始まった。

フィリピンの火山学者テレシト・バコルコル氏は、向こう数日でさらに活動が活発になれば、避難者も増えるとみている。

フィリピンでは火山の危険度を5段階に設定しており、現在のマヨン火山はレベル3。火口からは溶岩が流れ出ており、ゆっくりではあるが理論的には噴火している状態だと科学者らは説明している。

マヨン火山は農業地帯のビコル半島に位置し、フィリピン国内で最も活動が活発な火山のひとつ。ここ数週間は地震が頻発し、クレーターから岩石が落下するなど、活動が目立っていた。

バコルコル氏は現地メディアに対し、「火口から火山ガスや岩石が高速で流れてくる危険性がある。(中略)その流れから逃げるのは難しいだろう」と語った。

1814年の噴火では1200人が死亡し、町が一つ丸ごと埋没した。その後、火山の周囲は立ち入り禁止になったため、2013年や2018年の最近の噴火では犠牲者が減った。

People and animals evacuate from rumbling Mayon volcano in the Philippines

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画像説明, 水牛の引く荷車で避難する地元の住民

マヨン火山が燃えるように赤く輝く中、観光客らも火山の光景を見ようと丘の上などでキャンプを始めている。同火山は、ギネスブックに「世界で最も円錐形の」火山として登録されており、観光客に人気のある火山だ。地元当局も、その輝く火口を眺めることができる展望台を設置している。

この地域の災害対策室に勤務するユージーン・エスコバル氏は12日、テレビの取材に対し、「マヨン火山では昨夜、火口から溶岩が流れ出すショーが始まった」と話した。

フランスから来たフィリップ・バルセルさんは、今年のフィリピンでの休暇が、マヨン火山の異変と重なったことを幸運に思うと話した。バルセルさんは、近くの町の展望台で十数人の観光客に加わった。

車で半日ほどの距離にある首都マニラから来たフィリピン人観光客のジョセフ・パラシゲさんは、「マヨン火山を見るのは生まれて初めてだし、火山活動もある」と話した。

マヨン火山の美しさは、フィリピンの民話やポップカルチャーの一部になっている。その名前は、美しい女性を意味する現地語に由来している。

2018年のミス・ユニバース大会では、フィリピン代表カトリオナ・グレイさんが、マヨン火山の斜面を流れる溶岩をイメージしたドレスを着用して優勝した。グレイさんの母親は、火山のあるアルバイ州出身だ。

Mayon Volcano in the Philippines belches steam

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画像説明, 危険区域外では、住民らがマヨン火山を臨みながら普段どおりの生活を続けている

マヨン火山は、フィリピンに24ある活火山のひとつ。ここ数日では、タール火山とカンラオン火山も、活動の兆候があるとして監視対象になっている。

最近の噴火では直接的に多くの死者は出ていないが、過去には強力な台風が火山泥流を引き起こし、致命的な被害をもたらしたこともある。

2006年には、台風ドリアンによってマヨン火山の斜面から火山礫(れき)が流され、村が埋まり、約200人が死亡した。2020年の超大型台風ゴニによる火山性土石流では、少なくとも10人が亡くなった。

この週末には、太平洋に強力な台風が発生したが、同火山の地域は外れている。