インド列車事故、80人以上が身元不明 遺体引き取りで混乱も

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インド東部オディシャ(オリッサ)州で2日夜に起きた列車事故で、これまでに死亡が確認された288人のうち、80人以上の身元が分かっていないことが明らかになった。
今回の事故は、21世紀に入ってからインドで起きた最悪の列車事故となった。1000人以上が負傷し、病院で手当てを受けた。多くの家族がなお、愛する人たちを探していると話している。
オディシャ州のプラディープ・ジェナ知事は6日、死者数が275人から288人に増えたと発表。うち83人が身元が分かっていないと述べた。
今回の事故では、急行旅客列車が誤った信号で支線に入るよう指示を受け、支線に停車していた貨物列車に衝突。脱線した旅客列車の車両が、隣の線路を対向してきた別の旅客列車に衝突した。
2つの旅客列車には、合わせて3000人以上が乗っていたとみられている。また、どちらの列車も満員だったとの報道がある。
現在、家族を心配して州内外からやってきた人々が、病院に押し寄せている。しかし遺体の身元特定は、時に困難を極めていると言う。
遺体の引き取りで混乱
バラソール地区病院に来たムハンマド・ニザムディンさんは、孫たちの遺体を引き取れなかったと話した。
孫のタフシル・アンサリさん(16)とタウシフさん(13)は、父親と共にコロマンデル急行に乗っていて事故に遭った。
父親はなお行方不明だが、2人の写真が他の犠牲者と共に病院に貼り出されていた。識別のため、タフシルさんには20番、タウシフさんには169番という番号が振られていた。
2人の顔はけがによって傷ついていたが、ニザムディンさんは孫たちを認識できたという。
ニザムディンさんはそのまま、身元不明の遺体が安置されている州都ブバネシュワルの病院に向かったが、職員によって止められた。
20番の遺体は、すでに別の家族が引き取りを申し出ていたのだ。ただし、遺体はまだ引き取られていなかった。
ニザムディンさんは焦燥しながら、「どうしてこんなことが? 私が孫たちの顔を見分けられないとでもいうのか?」とBBCに語った。
ニザムディンさんは現在、引き取り申請や身分証明書の確認を担当し、遺体が正しい家族に渡るよう取り組んでいるブバネシュワール市当局に連絡するよう言われている。

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ブダネシュワル市幹部のヴィジャイ・アムルタ・クランゲ氏はBBCに対し、「写真データベースには、認識が不可能なほど損傷した遺体の写真がたくさんある。現在は腐敗も進んでいる」と話した。
クランゲ氏はまた、一つの遺体に対し、複数の家族が引き取りを申し出た場合には、DNA鑑定が行われると説明。「身元不明の遺体は病院の霊安室に向こう10日間安置される」、「政府は火葬や土葬を急がないだろう」と語った。


インドのナレンドラ・モディ首相は3日に事故現場と、被害者の運ばれた病院を訪れ、責任者を厳正に処罰すると述べた。
救助活動は3日に終了し、線路上からはがれきが取り除かれた。事故のあった線路のうち1本ではすでに運行を再開しており、当局は他の線路でも7日までに運行が始まるとしている。
インドの鉄道網は世界最大級で、毎日1万2000本以上の旅客列車が運行し、毎年述べ数十億人が国内を移動している。しかし、そのインフラの大部分が改良を必要としている。
学校が休みになるこの時期には鉄道利用者が増えるため、車内は非常に混雑することがある。
インド史上最悪の列車事故は1981年にビハール州で起こった。超満員の旅客列車がサイクロンにあおられて脱線し、川に落下。少なくとも800人が亡くなった。
追加取材:アミタブ・バッタサリ








