黄砂、中国と韓国で生活に影響 タイでは別の大気汚染
ユナ・ク、ジョエル・グイント、ファン・ワン(ソウル、シンガポール)

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中国とモンゴルに広がるゴビ砂漠の嵐によって舞い上がった黄砂が、春風に乗って朝鮮半島へと渡り、今年は日本にも到達している。大気汚染を悪化させているうえ、粒子が細かく人の肺に入り込むため、呼吸器疾患のリスクも高めている。一方、タイでは別の大気汚染が問題となっている。
韓国は全土が黄砂に覆われている。ソウルでは高層ビル群が黄色にかすみ、人々はマスクやフード付きの服を着けて、不快な1日を乗り切ろうとしている。
仕事のためアメリカから韓国に2011年に移住したアーリン・トンプソンさん(34)は、「晴れていれば当然、外に出たいが、天気がとても『汚い』と気分が落ち込み、家の中にいたくなる」と話した。
ソウル在住の教員オム・ヘジョンさん(40)は、「黄砂を避ける現実的な方法はない」と思われると説明。健康リスクはあるが、娘を学校に行かせたと述べた。
「毎年のように起こることなので、ただ行かせるだけだ。残念ながら、すでに生活の一部になっていると思う」
電話営業の仕事をしているハン・ジョンヒさん(63)は、空がどんどんぼやけて見え、外での運動を避けていると話した。

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中国当局によると、ゴビ砂漠周辺では1960年代以降、気温上昇と降水量減少により砂嵐が増えている。
今年は3月から中国の一部で黄砂が飛び、空が黄色く染まった。4月初めの2週間だけで4回、黄砂が飛来し、直近のものでは車やオートバイ、住宅に降り注いだ。
中国のソーシャルメディアの微博(ウェイボー)では、内モンゴル自治区の集合住宅の中で、住人の女性が重さ3キロ分の黄砂を掃き集めている動画が300万回以上再生されている。この女性はうっかり窓を開けたままにしてしまったのだという。
北京在住の女性(31)は、自宅周辺をちょっと走っただけで黄砂まみれになり、「テラコッタの戦士のように」なったと話した。
「寝室まで砂のような臭いがしている。北京では黄砂は毎春のことなので慣れているが、今回は風が強すぎる。運が悪かった」

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上海では今月11日の黄砂の飛来で、高層ビル群は夜空で輪郭しか見えなかった。12日には中国の12省で黄砂警報が出された。
上海に住む女性(30)は、黄砂が降った翌朝は自転車を洗わなくてはならないと説明。新型コロナウイルス対策の規制が2年以上続く間に、黄砂の影響を減らす対策は取れなかったのかと不満を口にした。
最近の黄砂の最も多い時期には、北京で粒子状物質(PM10)の濃度が、世界保健機関(WHO)基準値の46.2倍に達した。
ソウルのPM10の濃度は、健康に非常に悪いとされる政府基準値の2倍に上った。ソウルの南東にあるウルサンではさらに高かった。
PM 10は直径が人間の髪の毛よりも小さく、簡単に体内に吸い込まれるため、健康リスクにすぐに影響する。

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一方、東南アジアのタイでは、黄砂とは別の大気汚染が問題になっている。山火事とサトウキビの焼き畑で、北部一帯がスモッグに覆われているのだ。
とりわけ影響が大きいのが観光客に人気のチェンマイで、黄金の寺院や緑豊かな自然が数週間にわたって濃い煙に包まれている。
北東アジアが黄砂に覆われた今週、チェンマイは世界で最も大気汚染が悪化している都市となった。

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