死者2万8000人超、治安悪化で救助活動に支障も トルコ・シリア地震

画像提供, Reuters
トルコ南東部のシリア国境付近で発生した地震で、両国の死者が12日までに計2万8000人を超えた。トルコでは治安悪化が救助活動の妨げになっていると、現地で活動する団体が述べている。
トルコのフアト・オクタイ副大統領は11日、地震による同国の死者が2万4617人に上ったと発表した。
シリアの死者は、AFP通信によると3500人を超えている。10日以降は人数が更新されていない。
6日の地震発生から5日以上がたち、奇跡的な救出がある一方で、さらなる生存者発見の望みはしぼんでいる。
治安の悪化によって、救助活動に支障が出ている地域もある。
グループ間で衝突
トルコ南部ハタイ県では、実体不明のグループ同士の衝突が起きているとして、オーストリア軍が11日、捜索活動を一時停止した。同軍は「トルコで派閥間抗争が激化している」とした。
国際捜索救助団体ISARのドイツ支部と、同国の連邦技術救援庁(TSW)も、安全への懸念から活動を一時停止した。
ISARは、「異なる派閥間の衝突に関する報告が増えており、発砲も起きている」と説明。食料、水、希望が減るにつれ治安が悪化することが予想されるとした。
オーストリア国防省によると、同国軍が救助活動を停止した数時間後にトルコ軍が警備を提供したため、活動を再開できるようになったという。
ドイツの救助隊は、トルコ当局が安全と判断し次第、作業を再開する意向だと、ロイター通信が伝えた。
略奪の疑いで48人逮捕
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ハタイ県で発生しているとされる騒乱についてコメントしていない。しかし11日、犯罪に関わった者には政府が行動を取ると改めて強調した。
AFP通信によると、略奪の容疑で48人が逮捕されたと、トルコ国営メディアが11日に報じた。数丁の銃、現金、宝石類、キャッシュカードが押収されたという。
ハタイ県アンタキヤの倒壊現場で仕事仲間を探していたメフメト・ボクさん(26)は、「人々が店の窓やフェンス、車を壊していた」とロイター通信に話した。
トルコ警察はまた、南東部ガジアンテプ、シャンルウルファ両県で、倒壊した建物をめぐって12人を拘束したと報じられている。同国のDHA通信によると、請負業者らが含まれているという。
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発生100時間後の救出
ガジアンテプ県では11日、家族5人ががれきの中から助け出された。
AP通信によると、夫婦と娘2人、息子1人が、地震発生から5日たって救助された。周囲では「神は偉大なり」という大きな声が上がった。
また、ハタイ県でも7歳の少女が、地震発生の約132時間後にがれきの下から救い出された。
同県アンタキヤでは8日、姉妹2人の驚異的な救出があった。BBCは当時の映像を報じている。
アルメニア国境35年ぶりに開く
トルコは隣国アルメニアと長い間対立しているが、その国境が11日、35年ぶりに開かれた。これにより、救援物資が運び込めるようになった。
一方、シリア政府が、反政府勢力の支配地域に国連の援助を受け入れることに合意したとの報道も出ている。同国では2011年以来、激しい内戦が繰り広げられている。
シリアへの援助に関しては、国際的な努力が遅れているとの批判が上がっている。
シリアの反体制派支配地域で活動する市民組織、シリア民間防衛隊(ホワイト・ヘルメッツ)のイスマイル・アル・アブドゥラ氏は、生存者の捜索をやめたとBBCに説明。国際社会について、「人々の死に責任がある」、「救助機材を必要としていたが届けられなかった」と述べた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のシリア代表、シヴァンカ・ダナパラ氏は、今回の地震で530万人ものシリア人が家を失う可能性があると、カタールの放送局アルジャジーラに話した。
「この膨大な数が、すでに大規模な移住に苦しんでいる人々にのしかかる」











