パリのクルド人狙った銃撃、抗議デモが2日目に 車に放火も

A large fire in the street in central Paris, with riot officers standing in a formation nearby

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画像説明, クルド人コミュニティーを狙ったとされる事件を受け、抗議者がパリの街中で火を放った

仏パリ中心部で23日に起きたクルド人コミュニティーを標的とした銃撃事件を受け、市内では24日にも暴力的な抗議運動が続いた。

集まった人々は車をひっくり返して火をつけたり、警察にものを投げつけたりした。警察は催涙スプレーで対応した。

23日の銃撃事件はパリ10区にあるクルド文化センターと、近隣のレストランと美容院で起きた。3人が死亡し3人が負傷し、うち1人はなお重体だという。

衝突は事件直後から、現場に集まっていた人々と警察の間で起きた。動画では、群衆が道路の真ん中で火をつけたり車の窓を割る様子が確認できる。

警察は、現場の制止線を越えようとした抗議者らに催涙スプレーで対応した。

24日には、数百人のクルド人がレピュブリック広場に集まり、3人の犠牲者を平和的に追悼したが、その後、再び衝突が起きた。衝突の原因は分かっていない。

警察はこの衝突で11人を逮捕。また、警官31人と抗議者1人がけがをしたと発表した。

事件を受け、クルド人はフランス当局からの保護強化を求めている。コミュニティーの指導者らは24日に、パリ警察のトップと会談した。

今回の銃撃は、パリで2013年1月、過激派民族主義組織「クルド労働者党」(PKK)の共同創設者らクルド人女性活動家3人が殺害された事件から約10年後に起きた。

この事件ではトルコ人の男1人が殺人容疑で起訴されたが、裁判が始まる前の2016年に死亡し、解決には至っていない。

襲撃されたアフメット・カヤ・クルド人センターを運営するフランスのクルド民主評議会(CDF-K)は、事件を非難する声明を発表。同団体の弁護士は、クルド人コミュニティーは2013年の事件に「トラウマ」を持っており、今回の事件で再び「恐怖を抱いた」と話した。

People stand behind an overturned car in central Paris

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画像説明, パリ市中心部では車がひっくり返されたり窓を割られたりした
Presentational white space

目撃者によると、実行犯は長身で年配の白人男性で、現場で無抵抗のまま逮捕された。

AFP通信によると、容疑者は元鉄道運転手で69歳。自分は外国人が大嫌いだと供述しているという。殺人と殺人未遂で訴追され、その後さらに人種差別的動機による犯行でも訴追された。

検察は、容疑者は健康上の理由から釈放され、現在は精神科の施設に移送されたと発表している。まだ出廷はしていない。

AFP通信が取材した警察関係者は、容疑者は銃撃の際に外国人を嫌っていると話していたという。

また、犯行には「使い古された」ピストルが使われたほか、少なくとも25個の弾薬が入った箱と、「2~3個」の弾倉が見つかったと、この関係者は話した。

容疑者は過去にも人種差別的な暴力行為で起訴されている。男は2021年12月8日、パリ・ベルシー地区の移民キャンプで、複数のテントを刃物で襲撃した。最近釈放されたが、その理由は明らかにされていない。