作家ラシュディさんの「反骨精神あるユーモアは健在」 息子がツイート

画像提供, Getty Images
米ニューヨーク州で講演中に刺された英作家サルマン・ラシュディさん(75)の息子は14日、父親について、まだ危険な状態にあるものの、「いつもの気迫と、反骨精神のあるユーモアのセンスは健在だ」と述べた。
息子のザファル・ラシュディさんは、家族の声明をツイッターに投稿。「金曜日(12日)の襲撃で、父は危険な状態が続いている。病院で広範な治療を受けている」と説明した。
また、13日に人工呼吸器を外された時には、家族は「とてもほっとした」とした。そして、父親は「少し言葉を発する」ことができると付け加えた。
また、「彼は人生を変えるほど深刻なけがを負ったが、いつもの気迫と、反骨精神のあるユーモアのセンスは健在だ」とした。

この前に、作家ラシュディさんの代理人であるアンドリュー・ワイリーさんは、「回復への道」が始まったとコメント。「長くかかるだろう。けがは深刻だ。だが彼の容体は正しい方向に向かっている」とした。
ワイリーさんはこれまで、ラシュディさんについて、片腕の神経を切断され、肝臓に損傷を受け、おそらく片目を失うだろうと述べている。
「計画的襲撃」と検察
ラシュディさんは、1988年に小説「悪魔の詩」を書き、イスラム教徒の一部から神を冒涜(ぼうとく)したとみなされた。以来、長年にわたって殺害の脅迫に直面している。
ハディ・マタール容疑者(24)は12日、講演中のラシュディさんに壇上で駆け寄り、顔や首、腹などを少なくとも10回刺したとして、殺人未遂罪で訴追された。無罪を訴えている。
<関連記事>

マタール容疑者は、ニュージャージー州フェアヴュー出身。レバノンから移住してきた両親のもとにアメリカで生まれたと、レバノン当局者はメディアに話した。
ジェイソン・シュミット地区検事は、「これは、ラシュディさんを狙った、いわれのない、計画的な襲撃だ」と主張。判事は同容疑者の保釈を認めず、勾留するよう命じた。
ジョー・バイデン大統領と妻ジル・バイデンさんも、多くの人々と同様に襲撃を非難。ラシュディさんについて、「不可欠で普遍的な理想を掲げる人だ」とした。

画像提供, Reuters
ラシュディさんは、「悪魔の詩」の出版後、殺害の脅迫を受け、10年近く潜伏を余儀なくされてきた。
出版当時のイランの最高指導者だったホメイニ師は、ラシュディさんの殺害を求めるファトワ(宗教的な見解)を発し、300万ドルの懸賞金をかけた。このファトワは現在も有効だ。
イラン政府は現在、ホメイニ師の命令から距離を置いている。ただ、イランの準公的な宗教団体は2012年、懸賞金に50万ドルを上乗せした。
米NBCニュースは、マタール容疑者のソーシャルメディアアカウントから、イランのイスラム革命防衛隊(IRG)への共感がうかがわれると報じた。
IRGは、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師や多くの高官と密接な関係がある、同国の軍事、政治、経済面での主要勢力。ただ、マタール容疑者とIRGとの関連は確立されていない。









