英コメディアンのクリーズさん、ヒトラー物まねめぐり自らを「ブラックリスト」に

Actor and comedian, John Cleese
画像説明, ジョン・クリーズさん

英人気コメディ・グループ「モンティ・パイソン」出身の俳優・コメディアン、ジョン・クリーズさんは10日、ナチス・ドイツの指導者アドルフ・ヒトラーの物まねをめぐり、ケンブリッジ大学の学生主催イベントを欠席すると発表した。

ケンブリッジ大学のユニオン(弁論部)は、美術史家アンドリュー・グレアム=ディクソン氏が今月4日にユニオン主催の講演会でヒトラーの物まねをしたことを理由に、同氏を二度と招待しないと発表した。同大のユニオンは学生主催の団体で、長年にわたり多くの著名人を講演や討論に招いている。

これを受けて、同大出身のクリーズ氏はツイッターで、「今週金曜にケンブリッジ・ユニオンで学生たちと話をするのを楽しみにしていたけれど、誰かがそこでヒトラーの物まねをしたのを理由にブラックリストに入れられたと耳にした。残念ながら自分もモンティ・パイソンの番組で同じことをしたので、誰かにブラックリストに入れられる前に、自分で自分をブラックリストに入れる」と書いた。

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「ケンブリッジで僕と話をするのを楽しみにしていた人たち全員に、謝ります。でもそういう人は、wokeルールが適用されない会場をどこか探してくれないかな」とも続けた。

「Woke」とは英語圏で近年使われるようになった言葉で、「目覚めた」という意味から、もとは人種差別など社会不正義を強く警戒し批判する姿勢を指すが、最近ではいわゆる「意識高い系」の意味でも使われる。

英PA通信によると、クリーズ氏はこの「woke」カルチャーに関するドキュメンタリーを製作中で、この一環でケンブリッジ大学を訪れる予定だったという。

ケンブリッジ・ユニオンのキア・ブラッドウェル部長は、クリーズ氏の欠席は「とても残念」で、「この状況はできるだけ早く解決したい」と話している。一方、ユニオンが今後招待すべきでない人たちの「ブラックリスト」は、自分の後任部長たちへの参考として引き継ぐものに過ぎないと説明した。

グレアム=ディクソン氏はクリーズ氏の発表についてコメントしていないが、8日には自分の物まねが多くの聴衆を不快にさせたことを謝罪した。同氏は、自分の講演は「ヒトラーの人種差別と反ユダヤ主義を厳しく攻撃した」もので「悪趣味と不道徳は多くの場合、共存している」と示そうとしたのだと説明。ただし、「私がヒトラー自身の言葉を用いて議論しようとしたことで、不快になった人たちには、誠心誠意、謝罪します。振り返ってみれば、私が使った表現の一部は、たとえ引用だったとしても、本質的に不快で不謹慎なものだったと、分かります」と書いた。