ロンドンで若い女性のホームレス増える恐れ=支援団体

Person sleeping rough

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画像説明, 英政府は路上生活を余儀なくされる人の支援を「絶対的な優先事項」と位置づけている

英ロンドンでホームレス支援活動をする2つの民間団体が、パンデミックの影響で支援を求めに来る若い女性の数が急増していると警告している。

中心部キングス・クロス地域で活動する「ニュー・ホライゾン・ユース・センター」によると、支援を求める女性は昨年から倍増した。

救世軍も、ロンドン東部で運営する女性専用ホステルの利用希望者が増えていると話す。

英政府は、路上生活を余儀なくされる人たちへの支援を「絶対的な優先事項」と位置づけている。

社会的に弱い立場にある若者の家探しを支援する「ニュー・ホライゾン・ユース・センター」によると、今年4月から6月の間に連絡してきた若い女性は全体の35%だった。前年同期は10%だったという。

Staff at New Horizon Youth Centre
画像説明, 「ニュー・ホライゾン・ユース・センター」のスタッフは、社会的に弱い立場にある若者の家探しを支援する

住む場所を失う若い女性がなぜ増えているのか、理由はいくつか挙げられている。たとえば、ロックダウン中に家庭内暴力が増えたことや、パンデミックによる失業、困ったときに助けてくれる友人関係の変化などだ。パンデミックのせいで、複数の友人宅のソファを転々とすることができなくなった人が増えたと見られている。

家賃の支払いに苦労する人も増えた。政府の調査によると、イングランドで賃貸物件に住む人の7%が、今年4~5月にかけて家賃を滞納していた。前年同期は3%だった。

「ニュー・ホライゾン・ユース・センター」のメガン・ローチさんは、若い女性が住む場所を失う問題は新型コロナウイルスのパンデミック以前からあったものの、事態はパンデミックのせいで「ずっとひどくなった」と話す。

つらい状況にある弱い立場の女性が活用できる「有用な選択肢がかなり明確に不足している」ため、「とても心配している」のだと、ローチさんは述べた。

救世軍のダニエル・ホランドさんによると、ロンドン東部にある救世軍の女性専用ホステルにはベッドが81床あるものの、このところ利用希望者が増えている。接触してくる女性たちの中には、「高学歴な人が前よりも増えている」という。

「そういう人たちは専門職だったかもしれないし、キャリアを築いていたかもしれないが、今では職が見つからず、一時的にでもソファで寝泊まりさせてもらえるような家族や親類がいないのかもしれない」

対策強化には資金協力が必要だとホランドさんは言い、「(パンデミック対策で一時増額された)ユニバーサル・クレジット(低所得者向け給付制度)が減額されて、一時帰休制度(パンデミック中に休職扱いになった従業員の雇用・給与維持のため、政府が事業者に補助金を支払う制度)も終わった今、これからますます多くの人が住む場所を失うのではないかと、本当に心配している」と懸念をあらわにした。

政府報道官は、屋外で暮らさざるを得ない人や住む場所をなくした人の支援は、政府にとって「絶対的な優先事項」だと述べ、「今国会の会期中に路上生活問題を終わらせるため、今年は前例のない7億5000万ポンド(約1180億円)を支出する予定」だと話した。

報道官はさらに、政府がパンデミック初期から前例のない賃金補助事業給付金をはじめ、家賃滞納を理由にした強制退去を禁止するなど、様々な対策を実施したおかげで、多くの人が自宅を失わずに済んだと述べた。

賃貸物件の強制退去禁止措置は今年5月に終了した。しかし、政府報道官によると「経済的に厳しい状況にある世帯は今後、生活支援に、新しい5億ポンドの支援基金を活用できるようになる」という。さらに、政府は「ホームレス防止助成金」を通じて、自治体に3億1000万ポンドを提供する方針という。