アメリカ、イランの新大統領に核協議復帰を要請

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アメリカ政府は5日、イランのエブラヒム・ライシ新大統領に対し、核合意復活に向けた協議に復帰するよう呼びかけた。国務省の報道官は、外交の道は永遠には開かれないかもしれないと警告している。
アメリカをはじめとする西側諸国とイランは2015年、イランの核開発に制限をかける見返りに経済制裁を緩和する合意を交わした。
しかし、2018年にドナルド・トランプ前大統領がこの核合意から離脱し、イランへの制裁を再開して以来、両国の緊張関係が続いている。
5日に就任宣誓を行ったライシ大統領は、イランへの経済制裁を止めるための「外交計画」を支持すると話した。
「アメリカのイランに対する違法な制裁は全て解除されるべきだ」
イランはトランプ氏の核合意離脱後、核開発を再開。西側諸国は、イランが核兵器を開発しようとしていると非難しているが、同国はこれを否定している。
こうした中、ウィーンではイランと合意加盟国の間で、核合意の復活と制裁解除に向けた難しい協議が続いている。しかし現在、協議は数週間にわたって止まっている。
ライシ師の大統領就任を受け、米国務省のネッド・プライス報道官は記者団に対し、「この件の決着に向けて、イランには早急に協議に戻るよう求める」と述べた。
「ライシ大統領には、前任者と同じメッセージを送りたい(中略)アメリカは、自国とパートナー国の国家安全保障上の利益を守り、推進する。外交的な解決を進めるため、イランがこの機会を活用することを願っている」
一方で、「このやりとりを永久に続けることはできない」と付け加えた。
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ライシ大統領は、司法府の代表を務めていた保守強硬派。前任のハッサン・ロウハニ氏は、西側諸国から比較的穏健派とみられていた。
ライシ師は最高指導者アリ・ハメネイ師の側近で、後継者となる可能性もあるとされている。
イランでは経済の低迷で生活費が高騰し、国民の不満が募っている。イランはまた、アメリカの制裁によって医薬品不足に陥っていると主張している。
こうした経済危機に加え、ライシ大統領は新型コロナウイルスのパンデミック対策にも取り組む必要がある。イランは中東地域で最も感染が拡大しており、今週に入ってからは1日当たりの新規感染報告が3日連続で更新された。
さらに、深刻な水不足を受け、南西部では抗議活動が活発化している。
ライシ師は、人権問題で大きく批判されている。人権擁護団体らは、ライシ師が1988年に大勢の政治犯が処刑された出来事に関わったものとみている。
この年、イランのテヘラン近郊の刑務所で約5000人が密かに死刑を宣告・執行されたが、ライシ師はこの死刑を取り仕切った「死の委員会」と呼ばれる4人の司法官の1人だったとみられている。
アメリカは2019年、人権侵害の疑惑があるとして、ライシ師に制裁を科している。










