コンゴ民主共和国の火山噴火、住宅数百棟が焼失

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22日に発生したコンゴ民主共和国(旧ザイール)のニーラゴンゴ火山の大規模噴火で、住宅数百棟が溶岩に飲み込まれるなどした。住民は破壊された自宅へ戻り、行方不明になった家族や近親者を探している。
ニーラゴンゴ火山から噴き出た溶岩は夜空を真っ赤に染め、火山の南に位置する人口約200万人のゴマ市に向かって流れ出たが、市内に到達する手前で流れが止まった。
これまでに少なくとも15人の死亡が確認されている。今後当局が最も被害を受けた地域の状況を確認していくため、犠牲者の数は増えるとみられる。
犠牲者のうち9人は、大勢が逃げ惑う中で発生した交通事故で死亡した。
ほかの4人は刑務所から逃走しようとして死亡し、2人は焼死したと、政府報道官のパトリック・ムヤヤ氏は23日に明らかにした。
国連児童基金(ユニセフ)によると、子ども170人以上が行方不明になっている恐れがあり、ほかに150人が家族と離ればなれになった。ユニセフは保護者とはぐれた未成年者を支援する施設を設置するとしている。

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溶岩はゴマ郊外のブヘネ地区で止まった。住宅数百棟のほか、大きな建物も溶岩で埋まった。再建には数カ月かかる見込み。
「ブヘネ地区の住宅はすべて燃えてしまった」と、イノサン・バハラ・シャマヴ氏はAP通信に語った。
ゴマとベニの2都市を結ぶ高速道路1つが溶岩に飲み込まれ、救援・供給に欠かせないルートが寸断された。当初の報道ではベニの空港が影響を受けたとされていたが、実際には被害はなかった。
ムヤヤ氏は噴火の後に地震を感じたといい、「警戒を続け、不要不急の移動を避け、指示に従うよう勧告する」とツイートした。
隣国ルワンダへ逃れる人も
ゴマから約10キロ離れた場所にあるニーラゴンゴ火山は、1977年に600人以上が犠牲になった大噴火を起こしている。また2002年にも噴火し、250人が死亡、約12万人が家を失った。
22日の噴火を受け、大勢の住民は政府の避難命令が出る前から、マットレスなどを手に徒歩で逃げ出した。
隣国ルワンダの当局によると、約3000人が越境した。一部の人は23日にコンゴへ戻り始めたという。ほかの住民はゴマ西部の高台に逃れた。
ゴマ住民のリシャール・バーティ氏は発生当時は自宅におり、叫び声が聞こえたと話した。空が赤く、とてつもなく不安になったと振り返った。
「私は2002年の噴火を生き延びた。あの火山は当時、私たちの家や財産をすべて破壊した」

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地元の商人カンベレ・オンベニ氏は、がれきがくすぶっている現場に戻った住民の1人だ。「ニーラゴンゴ周辺地域がすべて消失していくのを目の当たりにした。ここまで火が迫っていた。今でも溶岩が見える」。
別の住人のイレーネ・バウマ氏は、生活再建には政府の支援が必要だと訴えた。
「土地があり、人がいて、全てを失った人がいて、もしかしたら死人も出ているかもしれない。この噴火で生き延びた人を助けるよう、政府にお願いしている」
ゴマのノルウェー難民評議会のトム・ペイル=コスタ氏はBBCに対し、現場の様子を説明。「溶岩は時速1キロ程度のかなりゆっくりとしたスピードで進んでいたが、止まることはなく(中略)家々を焼いていった」とし、複数の人道支援団体がすでに住民のニーズに応えようとしていると付け加えた。

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地震活動が活発化
ニーラゴンゴ火山は世界でも有数の活火山だが、同国の汚職疑惑をめぐり世界銀行が資金を削減して以降、ゴマ火山観測所が同火山の状況を適切に監視できていないことが懸念されていた。
同観測所は10日の報告書で、ニーラゴンゴ火山の地震活動が活発化していると警告していた。
ゴマ火山観測所のカッチョ・カルメ所長は昨年、BBCワールド・サービスの番組「サイエンス・イン・アクション」で、同火山の溶岩湖の溶岩が急速に増えつつあり、今後数年で噴火する可能性が高まっていると指摘。地震が起きた場合にはより早期に災害が発生する恐れもあると警告していた。
英マンチェスター大学の火山学者マイク・バートン教授は、ニーラゴンゴ火山の溶岩はとりわけ流動性が高く、高速で移動する可能性があるとBBCに語った。









