陰謀論支持の米共和党議員、民主党側が除名求める

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米民主党の下院議員らは1日、ドナルド・トランプ前大統領を支持し、陰謀論を支持する共和党下院議員について、ソーシャルメディアでの過去の投稿を理由に、所属委員会から除名するよう求める決議案を発表した。
除名が求められたのは、昨年11月の選挙で当選したマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州)。共和党のケヴィン・マカーシー下院院内総務の指名により、教育・運輸委員会と予算委員会に所属している。
「越えてはならない一線」
グリーン氏は、国内の学校における数々の発砲事件や2011年の同時多発攻撃はでっち上げだなどとする陰謀論を信じている。昨年の選挙戦では、「Qアノン」と呼ばれる陰謀論グループへの共感を表明した。
先月には、ジョー・バイデン大統領の弾劾を狙う法案を提出。汚職と権力の乱用があったとバイデン氏を非難した。また、バイデン氏が息子ハンター・バイデン氏に、「アメリカの最大の敵であるロシアと中国から金銭を吸い上げる」のを許したと主張した。
また、ドナルド・トランプ前大統領の熱烈な支持者で、トランプ氏と2016年の大統領選を戦った民主党のヒラリー・クリントン氏について、子どもの性虐待に関与しているなどと非難していた。
グリーン氏のソーシャルメディアのアカウントは、民主党議員の殺害を求める投稿に「いいね」を付けている。
今回の決議案について、提出した民主党議員らは、「共和党に対し、越えてはならない一線を示すもの」としている。
グリーン氏は1日、「民主党が私を委員会から排除するなら、2022年の選挙で私たちが再び多数派になった時に、その前例が民主党議員に広範に使われることになると断言する」とツイート。
「私たちは再び多数派になる。それは間違いない」と付け加えた。
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民主党議員らは、グリーン氏の過去の発言が、同氏の特に教育問題を扱う委員会のメンバーになる「権利を喪失させた」と主張している。
決議案提出の中心となった民主党のデビー・ワッサーマン・シュルツ下院議員(フロリダ州)は、「共和党が自らの取り締まらないなら、下院として介入せざるを得ない」と述べた。
決議案には、民主党のテッド・ドイチ(フロリダ州)、ジャハナ・ヘイズ(コネチカット州)両下院議員も提案者として名を連ねている。
同党のステニー・ホイヤー下院院内総務は1日、共和党のマカーシー下院院内総務に最後通告。72時間以内にグリーン氏を2つの委員会から降ろすよう求め、実行しなければ、民主党は下院でこの問題を取り上げると伝えた。
さらに、同党のジミー・ゴメス下院議員(カリフォルニア州)は、61人の同僚議員らの賛同を得て、グリーン氏の下院からの除名を求める決議案をまとめている。グリーン氏の「過激主義」を非難する内容だが、可決は困難とみられる。
グリーン氏への批判は、身内の共和党からも出ている。
同党のミッチ・マコネル上院院内総務は1日、グリーン氏が信奉する陰謀論を「いかれたうそ」、「共和党にとってのがん」と呼んで非難した。
議員を除名にした例は?
共和党のマカーシー院内総務は2019年、同党のスティーヴ・キング下院議員(アイオワ州)を2つの委員会から降ろした。キング氏がインタビュー記事で、白人至上主義がなぜ問題視されるのかと疑問を述べたのが理由だった。
ただマカーシー氏は、今回グリーン氏に対しても同様の対応をするかは明らかにしていない。マカーシー氏は広報担当を通して、グリーン氏のソーシャルメディアへの投稿について、「彼女と話をする予定だ」とだけ表明している。
グリーン氏が一市民だった時代に投稿した内容について、共和党の同僚議員らが何らかの行動を取るのかも不明だ。
議員を下院から除名するには、3分の2以上の同意が必要だ。議会によると、これまで除名となった下院議員は5人しかいない。
激しい反発を招いた発言をした議員は、グリーン氏に限らない。
民主党のイルハン・オマール下院議員(ミネソタ州)は2019年、反ユダヤ主義と広く解釈されたツイートをし、物議を醸した。
それを受け、下院の民主党議員らは反ユダヤ主義を非難する決議案に賛成票を投じたが、その決議案はオマール氏を特定する内容ではなかった。オマール氏は、米議員らがロビー団体から金銭を受け取り、イスラエルだけを支援しているとほのめかしたことを謝罪。その後、同氏に対する処分などはなかった。











