イラクで米英の兵士ら3人死亡 連合軍基地にロケット弾

画像提供, Reuters
イラクに駐留する米英軍の基地が11日、ロケット弾による攻撃を受け、両軍の兵士ら3人が死亡した。
攻撃を受けたのはバグダッド北方のタジ基地。少なくとも12人が負傷した。
米軍関係者によると、死亡したのは米兵とアメリカ人契約スタッフ、英兵の各1人ずつ。氏名はまだ明らかにされていない。
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イラクとシリアに駐留する米軍主導の連合軍は、ロケット弾18発が基地に撃ち込まれ、連合軍の3人が死亡したとする声明を発表した。
これに先立ち、連合軍の報道官は、攻撃は11日午後7時35分にあったとツイート。調査を開始したと付け加えた。

攻撃実行の声明はどこからも出ていない。米英両国も、誰が攻撃したのかはまだ特定していない。
米政府はこれまでの同様の攻撃では、イランが支援するイラク内の勢力によるものとして非難してきた。
シリア国境近くのイラクの別の場所で報復の空爆があったと報じられたが、確認されていない。
高まる反米感情
イラクでは1月、イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたカセム・ソレイマニ司令官を、米軍がドローン攻撃で殺害。以来、反米感情が高まっている。
同月8日には、イランがイラク駐留米軍のアル・アサド基地に報復攻撃を実施。米兵100人以上が外傷性脳損傷(TBI)を被った。
しかし、イランもアメリカもこの問題を終わりにすることを望んでいたと思われ、これ以降は目立った衝突は起きていなかった。

一方、英国防省は声明を出し、死亡した英兵は医療部隊の所属だと明らかにした。
声明では、「兵士の家族は知らせを受けており、詳細が公表される前に、プライバシーが尊重される時間を望んでいる」とした。
ベン・ウォレス国防相は、今回の攻撃を「卑劣で退行する行為だ」と非難。死傷者の家族に思いを寄せるとともに、実行者が司法の場で裁かれることへの決意を示した。
これに先立ち、ボリス・ジョンソン首相は攻撃について「嘆かわしい」と述べた。
そして、「外相が米国務長官と話をした。両国はこの許しがたい攻撃の詳細を完全に把握するため、他国のパートナーと引き続き協力していく」と表明した。
なぜイラクで攻撃が?
長年敵対しているアメリカとイランの関係は、イランが支援する武装勢力が昨年、イラク駐留米軍の兵士と民間人スタッフへのロケット弾攻撃を繰り返したことで、大きく悪化した。米軍施設やイラン人当局者を狙った、攻撃主体がはっきりしない空爆も何回かあった。
昨年末には、イラク軍基地へのロケット弾攻撃で、アメリカ人の民間契約スタッフ1人が死亡した。
アメリカは、親イランの武装組織「人民動員隊」(PMF)の一派で、強力な武装組織「カタイブ・ヒズボラ」によるものと断定。イラク西部とシリア東部の基地を空爆し、少なくとも25人の戦闘員を殺害した。
その後、バグダッドの米大使館は大勢の抗議者に襲撃された。ドナルド・トランプ大統領は、イランは「大きな代償を払う」ことになると警告を発した。
年が明けた1月3日、トランプ氏はバグダッド空港近くへのドローン攻撃を承認。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した。
その5日後、イランはイラク駐留米軍の基地に弾道ミサイルを撃ち込んだ。イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、ミサイル攻撃はアメリカに対する「顔面への平手打ち」に過ぎないとし、中東地域からアメリカを追い出すまで戦うと誓った。
米軍5000人が駐留
イラクには現在、国際的な連合軍を構成する約5000人の米軍関係者と、何百人かの他国軍関係者が駐留。武装組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦を続けている。
連合軍はISが勢いを取り戻すのを防ぐため、イラク治安部隊への助言と支援に当たっている。ISは2017年にイラクで軍事的に敗退したが、なおも何千人かの戦闘員が同国に残っている。
今月8日には、米軍がイラク中部の山岳部にあるISの隠れ家を急襲した際に、米兵2人が死亡した。
連合軍はイラク政府の要請を受けて駐留を続けている。しかし、イラク議会はその要請を取り消す法案を可決した。
英軍は中東の基地に約400人が駐留。米軍と連携して活動している。









