びた一文もらいません……91歳女性のボイラーを無料で修理した英配管工

画像提供, James Anderson/PA
イギリスのある配管業者が、世界中の注目を集めている。白血病をわずらっている91歳の女性がボイラーの修理を頼んだところ、領収書には、「どんな状況でも代金をもらわない」、「24時間いつでも駆け付ける」と書いてあった。
この女性の娘が領収書をソーシャルメディアに投稿したところ、何万もの「いいね」が付いた。
北西部ランカシャー州バーンリーの配管工、ジェイムズ・アンダーソンさんは、高齢の顧客から代金を受け取らず、非営利で水道を修理している。いつか、この利他的な取り組みがイギリス全土に広がってほしいと期待している。
ソーシャルメディアで拡散したアンダーソンさんの請求書には、圧力過多で2カ所で水漏れのあったボイラーの修理について、「女性は91歳、重度の白血病、終末期の緩和ケア。どんな状況でもこの女性からは代金をもらわない。できる限り楽に過ごしてもらうよう、24時間いつでも駆け付けて手伝う」とあり、請求額は0ポンドだった。

リヴァプール出身のアンダーソンさんは、1998年に清掃業者から配管工へと転向した。2017年3月からバーンリーで、障害者と高齢者向けに配管・暖房設備の緊急修理会社「Depher」を運営している。
「とても多くのお年寄りや障害者が、何も言わず苦しんでいる」とアンダーソンさんは話す。
「そういう人たちは助けを求めたがらない。誰かの重荷になりたくないと考えている。私たちはその重荷を、偏見を取り去るのが仕事だ」
BBCの取材に対しアンダーソンさんは、Depherの顧客は、「修理代が払えなければ」自立を失ってしまうと恐れていると説明した。
Depherの仕事は「顧客が借金を抱えないようにし」、自立心を取り戻す手伝いをしているという。
その結果、アンダーソンさん自身が借金を負っているが、「神様がお呼びになる日まで」はこの仕事を続けたいと話す。
アンダーソンさんの借金は現在、「8000ポンド(約108万円)を切ったくらい」だいう。しかし、銀行や納品業者との取り決めのおかげで、自分の経済状態は「なんとかなる」状態だという。
Depherはクラウドファンディングのページを開設しているほか、通常の配管・修理業務も行っているが、「収入は全てDepherの口座に行く」という。
アンダーソンさんはこれまでに、資金不足から従業員を2人解雇しなくてはならなかったと話した。
一方、この事業をバーンリー以外にも広めたいと語り、ソーシャルメディアでの注目が助けになってくれるのではないかと語った。
「他の配管業者からも(中略)助けたいとの申し出があった。Depherを全国規模にして、全ての街に置ければいいと思っている」

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アンダーソンさんは当初、自分の書いた領収書がインターネットで拡散されていることを知らなかったという。
「ちょうど、孫の洗礼に出席していた」とアンダーソンさんは話す。
「その日はいくつかのいいねや称賛の声をもらっていた」
しかしその後、領収書への反応は「完全に世界的なものになった」という。
この件でドイツやアメリカ、国際的なテレビ局などから電話があり、自分は支援が必要な人を助けたいのだという目的について語ってきた。
アンダーソンさんはこうした反響が「Depherが広がる原動力になるだろう」と語る一方、全ての功績が自分のものだとは言わず、Depherの事業は「地域社会の努力の結果」だと話した。
「みんなができることをして、地域社会として一丸となっている。同じ人類としてまとまって、お互いを気にかける必要がある」






