米国防総省、軍に政治持ち込まれ反発 駆逐艦マケイン隠しで政府に警告

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米国防総省は2日、ドナルド・トランプ大統領の横須賀基地訪問に際し、大統領と対立関係にあった議員と同名の駆逐艦を隠し、大統領の視界に入れないようホワイトハウスが米海軍に指示していた問題をめぐり、軍に政治を持ち込まないようホワイトハウスに警告した。
アジア歴訪中のパトリック・シャナハン米国防長官代行は2日、韓国に向かう途中で記者団に対し、今回の出来事について内部調査に着手しない方針を示した。
一方で、「軍に政治を持ち込む余地はない。この問題について適切に対処していく」と述べた。
国防総省報道官のジョー・ブッチーノ中佐は、同省が先月31日にホワイトハウスに対して、この問題を取り上げたことを明らかにした。
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トランプ大統領が国賓として訪日中、ホワイトハウスは米海軍に対し、横須賀基地に停泊中の米誘導ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」(USS John S. McCain)を隠すよう求めた。
退役軍人であり、トランプ氏の政敵だった故ジョン・マケイン上院議員は2018年8月、脳腫瘍で死去した。
この駆逐艦の名は、海軍大将だったマケイン氏の祖父、ジョン・S・マケイン・シニアと、父のジョン・S・マケイン・ジュニアの功績から名付けられた。2018年に、マケイン氏もこの艦名の由来に付け加えられた。
ホワイトハウスからの指示は、最終的に海軍高官によって阻止され、実行されなかったという。

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ミック・マルヴェイニー大統領首席補佐官代行は米NBCに対し、ホワイトハウス職員の誰かがこの指示をしたようだが、「見当違いな要求ではなかった」とし、今回の件で誰1人解雇されないだろうと述べた。
マケインの名は「どうでもいい」
トランプ大統領は先月30日、駆逐艦を隠すよう指示があったことは事前に認識していなかったと述べ、関与を否定した。一方で、指示した人物が誰であれ、「善意」によるものだったと擁護した。
「自分はそんなこと、絶対にしない。僕がマケインを好きではないだろうと、誰かがやったことだ。いいか? 善意によるものだった、そういうことだ」
さらに、駆逐艦がマケイン氏の名を冠していることについては、「どうでもいい」と付け加えた。
両者の激しい確執
海軍将校となりベトナム戦争に従軍したマケイン氏は1967年、ハノイ上空で撃墜された。5年半の捕虜生活を送り、たびたび拷問を受けた。
トランプ氏との間での辛辣な批判合戦は2015年から始まり、激しい対立関係を生んだ。
トランプ氏は、2015年にマケイン氏のことを「捕虜になったから英雄と呼ばれるが、自分は捕虜にならない人間のほうが好きだ」などと発言し、物議を醸した。
一方、2016年の大統領選挙戦では、マケイン氏がトランプ氏への支持を撤回。トランプ氏の移民政策は「狂った考えに火をつける」と批判した。
トランプ氏が大統領選で勝利しても、両者の対立は収まらず、その影響はマケイン氏の死後も続いた。
トランプ氏は2018年8月にマケイン氏が脳腫瘍のため81歳で死去した際、ホワイトハウスをはじめ連邦政府の建物に掲げられた国旗をいったんは半旗にしたものの、死後わずか2日後には通常の高さに戻した。これについては野党・民主党だけでなく与党・共和党からも批判を受け、半旗にするか哀悼の意を表明するかを求められた。
結局トランプ氏は半旗に再び戻したものの、葬儀には参列しなかった。そして、マケイン氏の国葬について「お礼を言われなかった」と主張した。











