ヴェネズエラのマドゥロ氏、トランプ政権は「過激派集団」と BBC独占取材
政情不安に揺れる南米ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は首都カラカスでBBCの単独取材に応じ、ドナルド・トランプ米大統領の政府を「過激主義集団」と呼び、ヴェネズエラの危機はアメリカの責任だと非難した。
マドゥロ大統領はBBCに対して、アメリカが国境まで送り込んでいる人道支援物資はアメリカによる内政干渉の手段だと反発し、国内に受け入れるつもりはないと強調した。
大統領は異例のインタビューでBBCのオルラ・ゲリン記者に対して、トランプ政権が「ヴェネズエラを占領するために戦争を仕掛けている」と話した。
さらに、「ホワイトハウスの過激派集団が、強力な世界世論に倒される」ことを期待すると述べ、「これはアメリカ帝国による政治戦争だ。アメリカを動かする極右の利益のための、ホワイトハウスを支配するクー・クラックス・クラン(KKK)の。アメリカはヴェネズエラを支配しようとしている」、「ホワイトハウスの過激派がヴェネズエラにクーデターを仕掛けている」などと批判した。
KKK発言に関連して、トランプ氏を「白人至上主義者」だと思うかと記者が問いかけると、マドゥロ氏はこれにうなずき、「そうだ。公に堂々と。アメリカだけでなく欧州や南米でファシズムやネオファシズム、ネオナチズムを増長させている」と非難を重ねた。さらに「(トランプ政権は)我々を憎み軽蔑している。アメリカと自分達の利益しか考えていないので。世界を憎悪する過激派集団だ」と強調した。
これまでにアメリカと大半の西洋諸国など30カ国以上が、暫定大統領就任を宣言した野党代表のフアン・グアイド国会議長を承認している。アメリカのグアイド暫定大統領承認に対抗し、マドゥロ政権は断交に踏み切った。これを受けてトランプ氏は、武力行使も選択肢の一つだと発言している。
経済危機が悪化し、汚職と人権侵害の拡大が批判される中、ヴェネズエラ内外から大統領選のやり直しを求める声が高まっているが、マドゥロ氏はこれに抵抗している。
トルコ、ロシア、中国のほか、何よりヴェネズエラ軍の支持を得ているマドゥロ氏はゲリン記者に、大統領選挙の前倒しなど不要で「理由がない」と反論し、グアイド国会議長を支持しているのは「10かそこらの」の政府に過ぎないと主張した。
一方でグアイド氏は12日午後、反政府デモの実施を再度呼びかけた。
トランプ政権は先月末には、ヴェネズエラの主要収入源を断つことを目的に、国営石油会社PDVSAの資産を凍結し、アメリカ人との取引を禁止した。すでに2017年7月には、マドゥロ大統領が人権を侵害したとしてアメリカ国内にある同氏の資産を凍結している。
人道支援は「芝居だ」と
マドゥロ大統領はBBCのゲリン記者に対して、「ヴェネズエラには国として尊厳がある。そしてアメリカは軍事介入を正当化するため、『人道危機』を作り出そうとしている。人道支援も、そのための芝居の一部だ。だからこそ我々は尊厳をもって、連中が腐った残飯と一緒に持ち込もうとするわずかなかけらを、拒否するのだ」、「ヴェネズエラは誰にも物乞いなどしない」。「ヴェネズエラは全国民の要求を満たすことができる」などと述べ、反政府勢力が手配した援助物資は不要だと強調した。
しかしヴェネズエラでは数年前から、食料や医薬品などの生活必需品が不足しており、ハイパーインフレによって平均19日ごとに物価が倍増した。国連によると、2014年に経済状態が急激に悪化し始めて以来、人口の10%に相当する約300万人が国外に脱出している。またグアイド氏によると、さらに30万人の「命が危険な状態にある」という。
マドゥロ大統領は昨年、多くの野党候補が投獄されたり、選挙をボイコットしたりする状況で再選され、今年1月に2期目就任を宣言した。
これに反発する抗議行動が全国に広がるなか、1月23日にグアイド氏が暫定大統領就任を宣言した。














