世界一周目指した女性飛行士は旧日本軍の捕虜に? 米公文書館で写真

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1937年に世界一周飛行の途中、太平洋で消息を絶った米国の女性飛行士アメリア・イアハートが旧日本軍の捕虜となった後に死亡していたかもしれないことを示唆する写真が、このほど見つかった。
もし事実だとすれば、航空史上最大の謎の一つが解決することになる。イアハートの失踪をめぐっては憶測が後を断たなかった。
しかし、今回見つかった写真は手がかり以上のものではなく、謎は解明されるどころか逆に深まる可能性も高い。

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米国立公文書館で見つかった白黒の写真には、埠頭(ふとう)に立つ人々の姿が写っている。写真に添えられた情報にはマーシャル諸島のジャルート環礁で撮影されたと書かれている。
行方不明となる5年前に女性で初めて太平洋の単独横断飛行に成功し有名になったイアハートと写真との関連性はあまり強くないように思えるかもしれない。
写真の中でカメラに背を向けて写っている人物がイアハートで、左端の人物が失踪前の飛行で航法士を務めていたフレッド・ヌーナンだとする見方がある。
また、写真の右端の画像がぼやけた部分にイアハートが乗っていた飛行機が写っていると主張されている。

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写真は、米NBCテレビが今週末に放送する予定の番組に合わせて公表した。番組への関心を高めるのが目的だったとすれば、成功しているようだ。
番組紹介では、2人の専門家にイアハートの後ろ姿だとされる女性の胴体の寸法や、ヌーナンだとされる男性の髪の生え際や歯を分析させ、主張を裏付けさせている。
ミステリーハンターといくつかの説
こじつけだろうか?そもそも、女性はカメラに背を向けているし、ぼやけた1930年代の写真から、歯は言うまでもなく、髪の生え際がきちんと分かるのか、議論の余地はあるだろう。
しかし、スクープだとされるこの写真の発見が、以前からあったイアハートと航法士の失踪に関するさまざまな憶測を刺激していることは確かだ。
世界一周を目指していたイアハートは給油のため、太平洋上のハウランド島にたどり着こうとしていた。
イアハートは島を見つけることができず、通信手段を失い、燃料が尽きて海に墜落したというのが、失踪の経緯についての一番有力な説だ。

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幅広く受け入れられている説ではあるものの、飛行機の残骸も含めて、裏付けとなる証拠が見つかっていない。
このほか、当時日本が統治していたマーシャル諸島またはその周辺に不時着したか、キリバスに近いニクマロロ島にたどり着いたものの救出されず死亡したという2つの説がよく知られている。
どちらにも物的な証拠がないが、歴史ファンや歴史家の関心を集め続けてきた。
ニクマロロ島で1940年に見つかった人骨の一部がイアハートのものだとされた時もあったが、当時の医師たちは男性の骨だと判断した。また1930年代の化粧箱が小さな環礁で見つかったという話もあった。

しかし、新たに見つかったマーシャル諸島での写真を基にNBCのドキュメンタリー番組が出した結論は、イアハートが旧日本軍に連れ去られた後、勾留され、最終的に捕虜として死亡したというものだ。
第1次世界大戦の結果、ドイツから日本に統治が移ったマーシャル諸島は、1941年に真珠湾攻撃が起きる前の時期、日本にとって重要な軍事的拠点となっていた。
NBCの番組は、日本側の記録にイアハートが戦争捕虜だったことを示す資料がないことを認めている。しかし、多くの当時の資料が失われているため、主張を完全に否定はできない。
それでも、失踪した2人のパイロットが写っているかもしれない1枚の写真の発見は、謎を解くというよりも、むしろ謎を深めそうだ。






