米軍、シリア反体制派に大量の武器・弾薬を投下

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米軍は12日、シリアで過激派組織「イスラム国」(IS)と戦う反政府勢力を支援するため、同国北東部で45トン以上の武器・弾薬を投下した。
米国防総省の報道官によると、戦闘機に周囲を守られ「C-17」輸送機がハサカ県で物資の投下を行ったという。投下物資には小型の武器、弾薬、手榴弾が含まれているもよう。
先週9日には、米国は「穏健な」反政府勢力に対する訓練や武装支援に5億ドル(約600億円)を拠出する計画を中止すると発表している。一方で、地上戦ですでに基盤を築いた反体制派の指揮官らが必要としている弾薬や武器を提供することにしている。
米国防総省はハサカで投下された100個以上の物資は反体制派に無事届いたとしている。支援したのは、米主導の有志連合が調査し信頼できるとされた指導者たちが率いるシリア人勢力だという。
<このほかの動き>
- 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、クルド人組織の「人民防衛隊(YPG)」に戦争犯罪に該当する行為があったとしている。シリア北部のISの支配地域で、民家を大量に破壊し住民を強制的に立ち退かせたという。
- 国際テロ組織アルカイダと連携する「ヌスラ戦線」の指導者はロシアによるアサド政権支援を目的としたシリア介入は必ず失敗すると述べた。


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<解説>ジョナサン・マーカス防衛担当編集委員
今回のこの動きは、アサド政権に対抗する勢力を集め、訓練・武装支援するという計画が失敗した後、米国がどのような策を強化するのかを示唆するものだ。
反体制派を誰でも支援するのではなく、武装勢力の指導者を吟味することに重点が置かれている。
小型の武器や弾薬は、特定の集団の戦闘支援には重要かもしれないが、前線で一番大きな効果があったのは、今回の勢力とは別の集団に提供した米国製の「TOW」対戦車ミサイルといった重火器だ。



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シリア内戦
なぜシリアで戦っているのか
4年前に反政府運動として始まったものが内戦に発展し、膠着している。アサド政権、IS、さまざまなシリア国内の反政府勢力、クルド人武装組織がいずれもそれぞれに勢力圏を確保している。
誰が誰と戦っているのか
首都ダマスカスおよび国の西部を拠点とする政府軍は、ISやヌスラ戦線といった過激派勢力と戦っている。また、北部や東部に強固な足場をもついわゆる「穏健派」反政府勢力とも戦っている。さらに、政府軍以外の各勢力はそれぞれ互いに敵対している。
人的被害は?
シリア人25万人が殺害され、100万人が負傷している。1100万人以上が住む場所を追われ、そのうち400万人が外国へ避難。危険を冒してでも欧州を目指す人の数が増えている。
世界の反応は?
イラン、ロシア、レバノンのヒズボラはイスラム教アラウィ派が率いるアサド政権を支援する。一方でトルコ、サウジアラビア、カタール、および米英仏は、より穏健なスンニ派が多数を反政府勢力を支持。ヒズボラとイランは地上部隊や将校を派遣しているとされる。アメリカなど欧米主導の連合国とロシアが、空爆を実施している。








