【パリ五輪】ボクシング女子、アルジェリアのケリフ選手が金メダル 性別論争の中

金メダル獲得を喜ぶケリフ選手とコーチたち(9日、パリ)

画像提供, Reuters

画像説明, 金メダル獲得を喜ぶケリフ選手とコーチたち(9日、パリ)

パリ・オリンピック(五輪)のボクシング女子66キロ級で、アルジェリア代表のイマネ・ケリフ選手(25)が9日、決勝戦で勝利し、金メダルを獲得した。性別をめぐる適性資格が議論となっていた。

ケリフはこの日の決勝戦で、昨年の世界選手権で同級覇者となった中国の楊柳と対戦し、ジャッジ全員一致の判定で勝利した。

試合終了のベルが鳴った時点で勝利を確信していたケリフは、すでに小躍りしており、続いて楊と温かく抱き合った。

判定が確認されると、楊はケリフの腕をとって高く掲げた。続いてアルジェリア・チームのコーチたちに肩車されたケリフは、アルジェリア国旗を揺らす会場の称賛に応えた。

メダル授与式では、他のメダリスト3人全員から拍手を送られた。アルジェリア国歌が流れると、ケリフは涙を浮かべていた。

ケリフはBBCに対して、「夢でした。すごくうれしい。すばらしい。信じられない」と喜んだ。

「8年間、寝る間を惜しんでがんばってきた。アルジェリアの人みんなに感謝したい」とケリフは言い、「これまでの戦い方ができて、とても喜んでいる。私は強い女性だ」と話した。

メダル獲得を喜ぶ選手たち

画像提供, Reuters

画像説明, メダル獲得を喜ぶ選手たち

昨年の世界大会を主催した国際ボクシング協会(IBA)は、ケリフと台湾の林郁婷(リン・ユティン)選手をジェンダー適格性資格検査で不合格にした。

IBAのこの判断についてIOCは、IBA検査の正確性に疑念を表明。

「(検査の)プロトコルがどうだったのか、検査が正確だったのか、この検査を信じるべきかどうか、私たちにはわからない」、「検査が行われたことと、私たちがその検査の正確性あるいはプロトコルを受け入れるかどうかは、別問題だ」と、IOCのマーク・アダムズ報道官は述べていた。

IOCは今月1日に声明で、ケリフと林について「IBAの突然かつ恣意(しい)的な決定の被害者だった」と述べた。

「IBAの2023年世界選手権の終盤に2人は突然、適切な手続きなしに失格とされた」とIOCは指摘した。

ケリフについては今大会の2回戦で対戦相手のイタリア選手が開始46秒で棄権し、「自分の命も守らなくては」と涙ながらに語ったことから注目され、さまざまな意見が飛び交う事態になった。イタリアのアンジェラ・カリニ選手はその後、試合後に握手しなかったことをケリフに「謝りたい」と発言している