中国の航空機メーカー、シンガポールの航空ショーで存在感示す ボーイングとエアバスに対抗

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スランジャナ・テワリ・アジアビジネス担当編集委員
3日から開催されているアジア最大の航空イベント「シンガポール航空ショー」では、展示ホールに縮尺モデルや模擬コックピット、最新の民間旅客機や航空技術のインタラクティブ展示が並んでいる。
この中で、一つのブースが特に注目を集めている。中国の国有航空機メーカー、中国商用飛機(COMAC)だ。同社は、旅客機「C919」が2年前に初めて中国領域外へのフライトを行い、シンガポールに飛来して以来、大きな前進を遂げている。
この機体は、欧州エアバス「A320neo」や米ボーイング「737 MAX」との競合を意識して設計されており、中国以外の市場をますます狙っている。
COMACは「東南アジアの航空市場を視野に入れている」としている。
COMACにとって今回の航空ショーは、世界で最も成長が速い航空市場であるアジア太平洋地域で、エアバスやボーイングに対抗し得る企業として、自らをアピールする機会だ。航空業界では現在、発注した航空機の引き渡しの遅れや、逼迫(ひっぱく)したサプライチェーンに直面している、
国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務局長はBBCに対し「COMACはいずれ、世界的な競争相手になると思う。(中略)しかし、同社には時間が必要だ」と述べた。
「今から10年、15年後には、ボーイング、エアバス、そしてCOMACについて語ることになるだろう。しかし、疑いなく、同社は将来かなりの存在感を示す企業になる」

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アナリストらは、アジア太平洋地域には別の航空機メーカーが必要だと指摘している。
この地域の航空会社は、ボーイングとエアバスの引き渡し遅延で負担を感じている。エンジンの不足や、より広範なサプライチェーンの滞りが、この遅延に拍車をかけている。
さらに、関税や通商上の緊張をめぐる不確実性が製造業部門の課題をさらに複雑にしており、この地域の調達や成長戦略にも影響を及ぼしている。
IATAのデータによると、世界の航空会社はこれまでになく長期間、新型機の受領を待っている。その結果、航空機の平均使用年数が上がり、燃費効率の悪い旧式の機体の使用により運航コストも増加しているという。
IATAのウォルシュ事務局長は、もし注文した航空機が利用可能なら、アジア太平洋地域の航空会社は今年、2桁成長を見込めるだろうと述べた。「航空会社にとって非常に不満が大きい状況だ。発注から受領までの待機期間は約7年だ」。
これが、アジア太平洋地域の多くの航空会社にとって、COMACが新たな選択肢として浮上している理由だ。
同社はこれまでに「C909」と「C919」の合わせて200機超を引き渡したとしており、うち約4分の1がラオス、インドネシア、ベトナムの航空会社によって運航されていると述べている。ブルネイの「ギャロップエア」はCOMACの航空機を大量発注しており、カンボジアも約20機を購入する計画だとされている。
アジア太平洋航空協会(AAPA)のスブハス・メノン事務局長は、「我々は、サプライチェーンにもっと多くのサプライヤーが必要だ」と述べた。「この業界の問題は、サプライチェーンが寡占、時には二社独占にさえなっていることだ」。
「この状況を長く待っていた。COMACは歓迎すべき存在だ。特にアジア太平洋地域には、より多くのサプライヤーが必要だ」と語った。
COMACは強い政府支援を受けて有利な立場にある。価格が低く抑えられることで、新興市場の格安航空会社にとって魅力的な機体になり得る。
フィリピンの格安航空「セブ・パシフィック」のマイク・スークス最高経営責任者(CEO)はBBCに対し「将来、あらゆる新規参入企業を歓迎する。競争がさらに活発になることを期待している。COMACは認証プロセスを進める必要があるが、2030年代のある時点では、当社や他の航空会社にとって魅力的な選択肢になるとみている」と述べた。

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COMACはヨーロッパでの認証にも力を入れており、現在、規制当局が「C919」の試験飛行を実施している。これは、COMACが欧州航空会社に販売できるようになることを意味する。
しかし、今後の道のりは依然として長い。
規制当局によると、ヨーロッパでの認証取得には2028年まで、長ければ2031年までかかる可能性があるという。一方で、中国製と欧米製の部品、飛行制御、ソフトウェアを組み合わせて調整することは、国際的な受注に向けた技術的課題をもたらしている。
整備や修理の基盤整備も別の障害となっており、操縦訓練もまた同様だ。これらの分野では、ボーイングやエアバスのようなメーカーが何十年にもわたってインフラやシステムを構築してきた。
さらにアジア太平洋地域では、COMACはボーイングやエアバス以外にも競合相手を抱えている。
ブラジルのエンブラエルは、シンガポールの格安航空「スクート」、豪ヴァージン・オーストラリア、そして日本の全日本空輸(ANA)による発注で、この地域での足場を築いてきた。
こうしたなか、ボーイングとエアバスは依然として、シンガポール航空ショーそしてアジア太平洋地域全体で、強い存在感を示している。両社は、数年にわたり航空会社を悩ませてきた航空機引き渡しの遅延が改善し始めていると、現地の航空会社に示している。
セブ・パシフィックのスークス氏は、「トンネルの先に光が見え始めていると言えるのは、うれしいことだ」と語った。
一方、COMACの受注数については疑問の声が上がっている。同社は以前、中国の航空各社から「C919」を1000機以上受注したと述べていたが、これまでに引き渡されたのはわずか十数機だ。
COMACが国有企業であり、ボーイングやエアバスのような上場企業ではないため、この受注数を検証することは難しい。
COMACがこれらの問題の一部、あるいはすべてに対応できない限り、ボーイングとエアバスが今後もアジア太平洋地域の空を支配し続ける可能性は高い。






