渡米する南アフリカ白人は「臆病者」 ラマポーザ大統領が批判

アメリカに到着した南アフリカの白人たち

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画像説明, 南アフリカの白人59人の一団がアメリカに到着した(12日)

難民認定を受けて移住するためにアメリカに渡った、南アフリカの白人59人の一団について、シリル・ラマポーザ大統領は「臆病者」だとし、「すぐに戻ってくる」と述べた。

南アフリカのアフリカーナー(主にオランダ系移民の子孫)の一団は12日、米首都ワシントン近郊のダレス空港に降り立った。ドナルド・トランプ米大統領は、これらの人々が人種差別を受けているとして、難民に認定するとしていた。

これに対しラマポーザ氏は、12日にフリーステート州であった農業展示会で、移住を希望したのは、過去のアパルトヘイト(人種隔離政策)による不公平を正す取り組みに不満を持っている人々だと主張。移住は「その人たちにとって悲しい瞬間」だとした。

ラマポーザ氏はまた、「私たち南アフリカ人は対応力が高い。問題から逃げない。ここにとどまり問題を解決しなくてはならない。逃げるのは臆病者だ。まさに臆病な行動だ」と付け加えた。

さらに、「あの人たちはすぐに戻ってくるはずだ。南アフリカのような国は他にないのだから」と述べた。

この「臆病者」発言に対しては、ソーシャルメディアで一部のユーザーから、現状に不満をもつ南アフリカの白人に対する侮辱だとの非難の声が上がっている。

難民に当たるのか

トランプ氏と南ア出身の盟友のイーロン・マスク氏はこれまで、南アフリカで白人農家の「ジェノサイド(集団虐殺)」があったと発言している。ただ、この主張は広く否定されている

アメリカはまた、南ア政府が補償金を支払わずに白人農家から土地を収用していると非難している。

南アフリカでは、少数派の白人による数十年にわたる支配が終わって30年以上がたつが、黒人は同国の最も優れた農地のごく一部しか所有できていない。大部分は白人が所有したままで、土地改革のペースの遅さに怒りの声が出ている。

ラマポーザ氏は今年1月、「公正かつ公益にかなう」と判断された場合に、政府が特定の状況下で補償なしに個人所有の土地を収用することを認める、物議を醸してきた法案に署名した。

ただ、南ア政府は、この法律に基づく土地の収用はまだないとしている。

トランプ氏は、アフリカーナーらが「ひどい状況」から逃れているとし、アメリカへの移住を提案してきた。

ラマポーザ氏は、アメリカに渡った一団について、難民の条件を満たしていないとしている。

在南ア米大使館によると、アメリカの難民移住制度の対象になるには、南アフリカ国籍である、アフリカーナーか人種的少数派である、過去の迫害や未来の迫害の恐れを証明できる――という条件に合致しなくてはならない。

ラマポーザ氏は、この問題に関して近く、トランプ氏と会談する予定だと述べた。

トランプ氏は、「事態の収拾」がされない限り、南アフリカで開催予定の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)をボイコットすると脅している。