セサミストリート、米ネットフリックスと配信契約 連邦政府が資金停止

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アメリカの子供向け番組「セサミストリート」が、米動画配信大手ネットフリックスと配信契約を締結した。同番組を放映する米公共放送チャンネルPBSとネットフリックスが19日に発表した。番組を無料で放映するPBSをめぐっては、ドナルド・トランプ米大統領が今月に入り、連邦政府資金の提供を取りやめていた。
ネットフリックスはセサミストリートについて、「子供向けメディアの礎として愛され、若者の心を魅了し、学ぶことの楽しさを育んでいる」としている。
約3億人が加入するネットフリックスは今年中に、セサミストリートの新シーズンと、過去のエピソード計90時間分の配信を開始する予定。PBSでも引き続き放映される。
発表文には、「セサミストリートの最新で新しい創意工夫の第56シーズンと、過去のエピソード90時間分を、世界中の視聴者に提供することになる」と書かれている。
セサミストリートの制作は、先行き不透明な状況に陥っていた。昨年12月には、米ケーブルテレビ大手HBOの配信プラットフォームを所有する映画配給会社ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが、同番組との契約を更新しないと発表した。
そして今月初めには、トランプ大統領が、PBSと米公共ラジオ局NPRについて、「党派的な偏向報道」を行っているとして、連邦政府資金の提供を停止する大統領令に署名した。
PBSとNPRを支援していた政府機関の米公共放送社(CPB)はその後、セサミストリートなどの子供向け番組に資金を提供する連邦政府のイニシアチブの終了を発表した。
ネットフリックスとの契約により、PBSはネットフリックスで公開されるのと同じ日にセサミストリートのエピソードにアクセスできるようになる。
セサミストリートの共同設立者ロイド・モリセット氏とジョーン・ガンツ・クーニー氏は1960年代後半、アメリカの子供たちを学ばせる斬新な方法を米ハーヴァード教育大学院に持ちかけた。
発達心理学者が率いるチームは、両氏と連携して児童心理を分析し、楽しい教え方を編み出した。
また、人形「マペット」たちを作り出したジム・ヘンソン氏と協力してビッグバードなどのキャラクターを作り、都会の街並みに見立てたセットを設置した。
1969年11月10日の初回放送以来、何百万人もの子供たちが、番組のテーマ曲を聞いて育ってきた。
放送が数十年にわたり続く中で、番組とそのキャラクターたちは、小さなテレビ画面の枠を超えた人生を歩んできた。
人気キャラクターのエルモは2002年、音楽教育に関する議論のために米議会に招かれ、公共政策に関する議論に参加した。
2006年にアメリカの子供の間で肥満が広がった際には、セサミストリートは食事と運動について子供たちに教えるための「健康習慣」に関する内容を放送した。
クッキーをむしゃむしゃ食べる姿が有名なクッキーモンスターは、クッキーを「時々食べる食べ物」だと宣言し、バランスのとれた食事を子供たちに教えた。
ミシェル・オバマ元大統領夫人も、セサミストリートのスタジオを訪れ、健康的な食事に関する放送に参加した。
ネットフリックスはこのところ、子供向けコンテンツを強化している。同社サービスで視聴されているコンテンツの15%は子供向けだ。
ネットフリックスは19日、アニメ「ペッパピッグ」の新エピソードと、パズルや塗り絵が楽しめるモバイルゲームが同社プラットフォームに登場するとも発表した。
ペッパピッグは、イギリスの架空の町で家族と暮らす4歳の子豚ペッパの冒険を中心に描かれたアニメ。









