新年の目標はどうやって守る? 避けた方がいい言葉とは

ベージュに黒い斑点が散らばる表面にろうそくやモミの木の枝、ツリーのオーナメントのほか、「2026」という金色の数字が置かれ、「目標:1、2、3」と書かれたメモ帳の上、ペンを持った人の手が写っている

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ヤスミン・ルフォ BBCニュース

「新しい年、新しい自分」。新年が近づく今、あちこちでこういうメッセージを見かける。

ソーシャルメディアを見ていると、ジムやダイエットプランの広告が流れてくる。クリスマス休み明けの職場では、1月になったら何をやめるか、始めるか、あるいは何をついにちゃんとするのかといった話題でもちきりだ。

けれども、新年の目標はほとんどが長続きしない。多くの人は1月半ばにもなると、目標を放棄している。

それでも、2026年は違う。違う年にできるはず。そこで私たちは、新年の目標を立てて、しかもそれを守るにはどうしたらいいか、いろいろな専門家にヒントを教えてもらった。

1. 現実的に

2026年は、「やせる」、「キャリアを変える」、「引っ越す」、そういう年になるだろうか。

気をつけて。これはどれも、自力でなんとかなる実行可能な計画ではなく、むしろ自分にプレッシャーを与える言葉だと、クレア・ケイ医師は警告する。かつて一般診療医だったケイ医師は、今ではクライアントが自信を築けるように支えるコーチングを専門としている。

新年の目標が失敗しがちなのは、目標があいまいで、非現実的で、対象が広すぎるからだとケイ医師は言う。

医師は、次のことを書き出してみるように勧める。自分の人生で何がうまくいっているか。何にくたびれてしまうのか。自分にはもう合わないと思うことは何か。そして、まるで自動操縦のように無意識に取り組んでいるのは何なのか。

「自分が何から逃げたいかだけでなく、自分は何をもっと欲しいと思っているのか、それを理解すると、変化はずっと続けやすくなる」と、ケイ医師は言う。

目標は「固定された地点ではなく、方向性と経験」に焦点を当てて書き出すべきだと彼女は助言する。例えば「体重を減らす」はこう言い換えられる。「自分の体を通じて、もっとエネルギッシュに、快適に感じたい。その状態を支えるのが何なのか、理解したい」。また「キャリアを変える」はこう代えられる。「どういう仕事が自分にエネルギーと意味を与えるのかを探り、それに近づくための小さな一歩を特定したい」。

2. 一部の言葉は使わない

ゆったりしたベージュの部屋着の茶色い長髪の人がベッドに座り、白紙のノートに向かって何かを書き込もうとしている

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画像説明, 「いつも」や「絶対に」といった言葉を使う目標の立て方は、「たまにやる」「少しやる」といった余裕を生まず、結局「まったくやらない」状態につながる場合がある

目標を書き出すときに、もう一つ避けるべきことがある。「いつも必ず」や「絶対に」などの限定的な言葉だ。

そういう言い方をすると、守るのがとても難しいし、全てかゼロかのような姿勢につながってしまうと、心理学者のキンバリー・ウィルソン氏は話す。

「毎週水曜には、いつも必ずランニングに行く」とか、「もう絶対にアルコールは飲まない」などと自分に約束しようものなら、それは失敗の原因になるだけだ。

「食事や運動に関するそういう目標設定が、実に典型的な例だ。目標が1日守れなかったら、もう続けても無意味だと、多くの人がそう考えがちだ」。ウィルソン氏はBBCのポッドキャスト「What's Up Docs?(先生たち最近どう?)」でそう話した。

何か目標を立てている人が、自分のたった一つの行動をそれだけ取り出して、それだけにこだわって良し悪しを判断するという、視野が狭い状態に陥ることがあるとウィルソン氏は言う。それよりも、ひとつの出来事はたくさんの出来事の連続の中において、全体の文脈の中で捉えるべきで、そういう広い視野が必要なのだと。

前出のケイ医師は、目標を書き出す際には「〇〇を試してみたい」、「〇〇ができるよう、もっと余裕を作りたい」、「〇〇の時にどうするのが自分に合うのか、発見しつつある」といった柔軟な言い回しで書くべきだと助言する。

3. 続かないことも予定しておく

もう何週間もとても頑張っていたのに、一度だけ、ランニングに行かなかった。あるいは一回だけ、夜更かしをした。そのせいで、連続記録が途絶えてしまうと、もうだめだ、せっかく続けてきたのが台無しだなどと自分にがっかりしてしまう。

新年の目標に途中で挫折してしまう場合、その理由は、「人はベストな自分に合わせて計画を立てるから」だと、ウィルソン氏は言う。

「自分が夜更かしするとか、たまたま仕事がとても忙しい日があるとか、そういう状況を想定しないで、目標をたててしまう。全てがベストではない状況に対応できるような次善策を用意していないと、続けられなくなってしまう」

目標が常に続かないことも、プロセスの一部として受け入れることが重要だと、ウィルソン氏は言う。完璧にやるよりも粘り強く長く続けることの方が大事なのだから、少しできなかったからといって失敗ではない。

「完璧にやることが目標なのではない。一回やらなかったからといって、それで計画そのものを諦めたりしない。それが目標」なのだと、ケイ医師は言う。

もしつい計画をさぼったりできなかったりした場合、「何より役に立つのは、やらなかったことを批判するのではなく、なぜやらなかったのかに関心を抱くことだ」だとも医師は言う。そして、計画を再開するのに次の週や次の月まで待つのではなく、一日一日をリセットの機会と考える方がいい。

4. 習慣を積み上げる

明るい室内のベッドで枕にもたれかかり座っている女性が、右手にマグカップを、左手に本を開いている。本を読んでいる様子で、顔は見えない

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画像説明, たとえば「寝る前に本を読む」という目標をたてたなら、本を枕の上に置いておくといいと、キャリアコーチのエマ・ジェフリースさんはアドバイスする

新年の目標を成功させる方法のひとつに、「ハビット・スタッキング」と呼ばれる技があると、キャリアコーチのエマ・ジェフリーズ氏は言う。「ハビット・スタッキング」とは、すでに自分の日常的な習慣(ハビット)となっていることに、新しい行動を結び付けて、積み上げていく(スタッキング)方法だ。

「例えば、歯を磨いた後に腕立て伏せを10回するという習慣を結び付ける。自分にワインを注いだら、10分間ものを書くことにする。子どもを寝かせつけたら、ストレッチする――などだ」とジェフリーズ氏は説明する。

「やるべきことを増やすのではなく、すでにしていることの構造に新しい行動を織り込んでいく」というアプローチなのだという。

新年の目標を続けるには、自分のやる気だけを頼りにするよりも、成功するための環境を整えることも大きな違いを生むという。

「例えば、もっと本を読みたいなら、枕の上に本を置く。枕から本をどかさないと寝られないようにする」のがいいと、ジェフリーズ氏は助言する。

5. 前向きに

明るい部屋で、テーブルに置かれた白い子豚の形をした貯金箱に、硬貨を入れようとしている人の手。

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新年の抱負として、「もっと貯金する」、「予算をうまく管理する」という目標をたてたなら、それが前向きでポジティブなことに結び付けてある方が、長続きしやすいと、多くの専門家は言う。

資産運用アドバイスを提供する英企業オクトパス・マネーの個人金融部門を統括するトム・フランシス氏は、「ただ倹約、節約するよりも、長期休暇の旅行資金や予期しない緊急事態用の資金など、楽しみだったり明確だったりする目標をもって貯金をする方が、貯金が自分を制限する行動ではなく、目的のある行動に思えるようになる」と指摘する。

フランシス氏はさらに、自分の行動を一気に変えようとしてもめったに続かないので、あまり変え過ぎようとはしないことが大事だと助言する。

「二つか三つ、明確な優先事項を選ぶのがいい。例えば、憧れの休暇旅行のために1200ポンド(約25万円)をためるなどと決めても、そんなことは無理だと思ってしまうかもしれない。しかし、毎月100ポンド(約2万1000円)貯金するという目標なら、できるかもしれないと思えてくる」

そして、もし予定外の出費が必要となったなら、「貯金する」という目標へのペースは落としても大丈夫だと、フランシス氏は言う。

「例えば、月100ポンドの貯金を20ポンドに減らしたとしても、貯金するという計画を継続して前に向かって進んでいることには変わりない。何より大事なのは、習慣を続けることだ」