米最高裁、トランプ氏によるホワイトハウス「宴会場」建設続行を認める

ホワイトハウスの空撮画像。南庭の大部分で芝生がはがされ、円形のヘリパッドが設置されている。その右側ではホワイトハウス本館より大きい長方形の敷地に複数階の建物の建築工事が行われている

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画像説明, ホワイトハウス南庭でヘリパッド、東棟でボールルームの建設工事がそれぞれ行われている(8月24日、米首都ワシントン)
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米連邦最高裁判所は31日、ホワイトハウスにボールルーム(宴会場)を新設するというドナルド・トランプ政権の計画を認めた。

総工費4億ドル(約640億円)の建築計画について最高裁は賛成5、反対4の判決で、トランプ政権の訴えを認め、地上部分の建設を中止させた下級審の判決を覆した。

保守派のジョン・ロバーツ最高裁判所長官は判決で、3人のリベラル派判事と共に反対意見を示し、連邦議会がこの建築計画を承認していないことから「建設は違法である可能性が高い」と書いた。

工事差し止めの請求は歴史的資産の保全団体「全米歴史保存信託(ナショナル・トラスト・フォー・ヒストリック・プリザヴェーション)」によるもの。同団体は昨年、建設計画について連邦議会の承認を得ないままホワイトハウスのイースト・ウィング(東棟)を取り壊したトランプ政権を提訴した。

上段に、以前のホワイトハウスの空撮写真、下段に、宴会場予定地を示したホワイトハウスの空撮写真が並んでいる。イースト・ウィングが取り壊され、ホワイトハウスの本館よりも大きな宴会場が建てられる計画

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ホワイトハウスは、宴会場は今年11月までに新設が「ほぼ」完了し、2028年8月までに完成する予定だと述べている。敷地面積は8400平方メートルに及ぶ。

最高裁判所は今回の判決に先立ち、建設の全面阻止を求める原告の請求を審理する間、8月28日の時点で宴会場の建設を一時的に許可していた。

31日の無署名の最高裁命令で、建設を許可した判事5人は、連邦地裁と同控訴裁が宴会場の建設を差し止めたことは「おそらく権限の逸脱」にあたるとの見解を示した。

多数派のこの判事5人は建設計画の合法性については判断しなかったものの、原告となった保存団体には政府を訴える「適格性がない」と指摘した。

5人の判事は、下級審の工事差し止め命令を最高裁が停止しなければ、トランプ政権が「取り返しのつかない損害を受ける」という主張で勝訴する可能性が高いことを、政権側が立証したと判断した。

一方、ロバーツ長官は反対意見の中で、「今日の判決は権力分立にとって、決して勝利ではない」と述べた。

最高裁判決を受けて、トランプ氏は「根拠のない」訴訟が建設を阻止できなかったことを「喜んでいる」と投稿した。

「我々はアメリカの黄金時代に生きている。この建物はワシントンに建設される中でも最も偉大な建物の一つになる」と大統領は主張した。

トランプ氏は以前から、ホワイトハウスには従来より広いイベントスペースが必要だと主張していた。最近では、それが自分の安全にとって重要だと述べている。

トランプ氏は、今年4月にホワイトハウス記者協会(WHCA)主催の夕食会で起きたとされる暗殺未遂事件を受けて、ホワイトハウス敷地内に宴会場を置くことの必要性を強調した。

しかし、原告の全米歴史保存信託は、建設工事が歴史的建造物に回復不能な損害を与えていると主張した。 ワシントン在住で、同信託の理事を務める保存活動家のアリソン・ホーグランド氏が、「提案されているような形と規模の宴会場が建設されれば、私の美的、文化的、歴史的な関心を含め、職業上および個人として、両面で損害を被ることになる」と主張したことが、原告の請求の根拠となっている。

月に1度はホワイトハウスの周辺を訪れるというホーグランド氏の主張を受け、ロバーツ最高裁所長は反対意見の中で、ホーグランド氏が主張する被害は訴訟を進める根拠として十分なものだとの見解を示した。

全米歴史保存信託は、最高裁の判決には失望したと述べたものの、ロバーツ長官の「強い反対意見」を歓迎した。

同信託は、「個々の大統領はそれぞれ『国民の家』の一時的な管理人であって、議会の承認なく一方的にそれを解体したり改築したりできる限は持たない」と声明で述べた。

宴会場建設や、ホワイトハウス南庭でのヘリポート敷設など、トランプ大統領はワシントン市内の景観を大々的に変える計画を進めている。

その計画には、リンカーン記念堂の「リフレクティング・プール(反射池)」の改修や、パリの凱旋門よりも大きな「トランプ凱旋門」の設置などが含まれている。