ゼレンスキー氏、抗戦継続を誓う ウクライナ独立記念日

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ウクライナは24日、独立記念日を迎えた。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国民に抗戦を訴える演説で、ウクライナの「平和を求める声が届かない中で」、同国は自由のために戦い続けると強調した。
ゼレンスキー氏は演説で、「私たちには公正な平和が必要だ。私たちの未来が私たちだけによって決められる平和だ」と主張。ウクライナは「犠牲者ではなく、闘士だ」とも付け加えた。
また、「ウクライナはまだ勝利していないが、間違いなく、負けてはいない」とした。
この演説が公開される前、ロシアは同国西部クルスク州の原子力発電所が夜間にウクライナのドローン攻撃を受け、火災が発生したと発表した。
ウクライナ政府の偽情報対策センターは、ドローン撃墜が火災を引き起こしたとの情報があると説明。ウクライナがロシアの原発を「狙って攻撃したとして」ロシアが非難しているのは、ロシアによるプロパガンダの「典型的な手法」で、「操作した情報を広めている」とした。
原発の広報担当がメッセージアプリ「テレグラム」で発表したところでは、この火災で負傷者はなく、火はすぐに消し止められた。変圧器が損傷したが、放射線レベルは通常の範囲内だという。
国連の国際原子力機関(IAEA)は、火災の報告は認識しているが、独自に確認はできないとした。IAEA事務局長は、「すべての原子力施設は常に守られなければならない」と述べた。
IAEAはロシアとウクライナの双方に対し、原子力施設の周辺での最大限の自制を繰り返し求めている。
こうした中、ロシアとウクライナは24日、それぞれ捕虜146人ずつを交換した。双方が明らかにした。
ロシア国防省はこれとは別に、同国クルスク州の8人が引き渡され、帰国すると発表した。クルスク州はウクライナが数カ月にわたり部分的に占領していた。
ゼレンスキー氏によると、ロシアから帰還したのは兵士、国境警備隊員、民間人らで、ほとんどが2022年以降に拘束されていたという。戦争開始時に「キーウ州で拉致された」ジャーナリストのドミトロ・ヒリュク氏も帰国するという。
各国から独立記念日に祝意
独立記念日は、ウクライナが1991年に当時のソヴィエト連邦から独立したのを祝うもので、キーウでは祝賀式典が開かれた。
カナダのマーク・カーニー首相も出席。聖ソフィア大聖堂でゼレンスキー氏の横に立ち、群衆に向かい、「とても単純で重要なことを言いたい。カナダは常にウクライナと一緒に立ち向かう」と演説した。
ウクライナのメディアによると、20億カナダドル(約2130億円)規模のカナダによる軍事支援の半分以上となるドローン、弾薬、装甲車が、早ければ9月にもウクライナに届けられるという。
式典にはアメリカのキース・ケロッグ・ウクライナ担当特使も出席。ゼレンスキー氏から、ドナルド・トランプ米大統領の支援に対する感謝の言葉を受けた。その後、ケロッグ氏が、「私たちはこれを成功させる」と述べていた。
ゼレンスキー氏はソーシャルメディア「X」で、独立34周年を祝う各国首脳からの手紙を次々に公開。トランプ氏からの手紙には、ウクライナの独立34周年を祝う言葉と、「今こそ無意味な殺りくを終わらせる時だ」、「合衆国は、流血を終わらせ、ウクライナの主権と尊厳を保証する、持続的で恒久的な平和につながる、交渉による合意を支持する」と書かれていた。
ゼレンスキー氏は、アメリカが「ウクライナと並んで立っている」ことに謝意を表明。「私たちは協力することで、この戦争を終わらせ、ウクライナの真の平和を実現できると信じている」と付け加えた。

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ゼレンスキー氏はまた、イギリスのチャールズ国王から手紙を公開。その中でチャールズ国王は、「ウクライナの人々の不屈の勇気と気骨に対し、最大かつ最も深い称賛の気持ちを抱き続けている」、「私たちの両国が、ウクライナにおいて公正で永続的な平和を達成するために、さらに緊密に協力できることを願い続けている」と書いていあ。
ゼレンスキー氏は、「(国王の)優しい言葉は、戦争という困難な時期にあるこの国の国民を、本当に奮い立たせるものだ」と歓迎した。
イギリス政府は、ウクライナの独立記念日に合わせ、首相官邸でウクライナの国旗を掲けるとした。
英国防省は、英軍の専門家がウクライナ兵を訓練する「インターフレックス作戦」を、最短でも2026年末までは継続すると明らかにしている。
一方、ノルウェーは24日、ウクライナに約70億クローネ(約1020億円)相当の防空システムを供与すると発表した。
スウェーデンも同日、ウクライナとの共同発表で、防衛関連の生産に両国が協力して取り組むことで合意したとした。

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不透明な和平交渉
ロシアは23日、ウクライナ東部ドネツク州の二つの村を占領したと発表した。
ロシア軍はウクライナ東部で、非常にゆっくりと、多大な犠牲を払いながら前進を続けている。現在、ウクライナ全領土の約2割を掌握している。
米アラスカ州で今月15日にあったトランプ氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の首脳会談をめぐっては、両首脳は成功だったと主張している。だがトランプ氏はその後、ロシアとウクライナの間で和平合意が成立していないことに不満を募らせている。
トランプ氏は、ロシアに追加の経済制裁を科すか、和平交渉から手を引くことを検討していると述べている。22日には、「私たちが何をするか、近く決定する。とても重要な決定になる。大規模な制裁か、大規模な関税か、その両方か、あるいは何もしないで、あなたたちの戦いだと言うかだ」と発言した。
ゼレンスキー氏は繰り返し、無条件での停戦を求めている。ヨーロッパの支援国も、戦闘を停止すべきだと主張している。
ゼレンスキー氏は、戦争終結に向けたプーチン氏との会談が開かれないよう、ロシアが「全力を尽くしている」と非難している。
一方、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、プーチン氏はゼレンスキー氏と会う用意があるとしつつ、「それは首脳会談の議題が準備できたときであり、議題はまったく準備されていない」と述べた。そしてゼレンスキー氏が「すべてに対してノー」と言っていると批判した。












