映画「スタンド・バイ・ミー」などのライナー監督と妻の遺体、自宅で発見 「殺人事件とみられる」と米警察

「ホワイトハウス特派員協会」と青地に金色で書かれたパネルを背に、黒いスーツで白髪の男性が笑顔を浮かべ、隣で黒いジャケットとドレスの濃い髪の女性がほほえんでいる

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画像説明, 2018年撮影のロブ・ライナー監督(左)と妻ミシェルさん

米ロサンゼルスの当局は14日午後、映画監督ロブ・ライナー氏の自宅で男女2人が死亡しているのを発見したと明らかにした。カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム州知事はその後、ライナー監督と妻ミシェルさんが亡くなったと声明で明らかにした。警察は、「殺人事件とみられる」と発表。ロサンゼルス郡保安官事務所の記録によると、夫妻の息子ニック・ライナー容疑者(32)が14日夜に重罪で逮捕され、15日早朝に訴追された。ライナー監督は、「スタンド・バイ・ミー」や「恋人たちの予感」などの映画で知られる。

ライナー監督の家族の広報担当は米メディアへの声明で、「深い悲しみと共に、ミシェルとロブ・ライナーが悲劇的に逝去したことを発表します。この突然の喪失に、私たちは悲痛な思いでいます。信じられないほど困難なこの時、プライバシーを尊重してくださるようお願いします」と述べた。

ニューサム知事は声明で、「ロブ・ライナーとミシェル・シンガー・ライナーが悲劇的に亡くなった」ことに、自分と妻が深く悲しんでいると述べた。

ニック・ライナー容疑者は脚本家で、父親が監督を務めた2016年映画「ビーイング・チャーリー」の脚本を共同執筆。薬物依存の若者を描いたこの映画の公開当時、容疑者は、薬物に依存する自分の苦しみを参考にして書いた脚本だと、米誌ピープルに話していた。

夜間の邸宅を上空から撮影した写真。庭やポーチ、木々に白い明かりがついているが、屋根などは暗い

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画像説明, ライナー監督の自宅

消防当局は、現地時間午後3時38分ごろに救急医療の対応が必要だと通報を受けてロサンゼルス・ブレントウッドの民家へ向かったところ、家の中で78歳男性と68歳女性の遺体を発見したと発表した。2人は現場で死亡が確認されたという。当局は、2人の身元や死亡現場の状況を直ちには発表しなかった。

ライナー監督は78歳、妻ミシェルさんは68歳だった。

ロサンゼルス市警の窃盗・殺人担当の捜査員たちも、通報のあった民家に入り、殺人事件として捜査に着手した。

14日夜に記者会見した警察は、発見された際の2人の状態やけがの様子、当局の到着時の状況、武器の発見や使用などについて、どれも明らかにしなかった。ロサンゼルス市警のアラン・ハミルトン副本部長は、警察と消防が呼ばれてから6時間以上経過した時点でも、2人の遺体はまだ家の中に残されていると話した。

副本部長は、2人の死因はロサンゼルス検視局が判断すると述べた。

「スパイナルタップ」と書かれた黒いキャップをかぶったライナー監督。白いひげをたくわえ、笑顔を浮かべている

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画像説明, ライナー監督

ライナー監督は、「スパイナル・タップ」、「スタンド・バイ・ミー」、「恋人たちの予感」、「プリンセス・ブライド」、「ミザリー」、「ア・フュー・グッドメン」など、数々の映画をヒットさせた。

俳優としては、映画「ブロードウェイと銃弾」、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」などに出演した。

英コメディグループ「モンティ・パイソン」のエリック・アイドルさんは、「ゆうべ1時間以上、話していた」ばかりだと「X」で明らかにし、「ストーンヘンジで撮影したことや、未来についてどう考えているかとか話してくれていた」と書いた。そのうえでアイドルさんは、ライナー監督が「本当に素敵な人」で「いつも一緒にいるのが楽しかった」としのび、「なんてひどいことだ」と繰り返した。

ニューサム知事は声明で、「私たちが大好きな数々の名作を作った、心の大きい天才」だったとライナーさんをしのび、「彼の限りない共感力のおかげで、その物語は時を超えるものになった」、「その共感力は映画をはるかに超えていた。ロブは、子どもたちや公民権を情熱的に擁護していた」とした。そして、「ロブはその素晴らしい映画作品の数々のほか、人類に素晴らしい貢献をしたことで記憶される」とたたえた。

ロサンゼルスのキャレン・バス市長は、ライナー監督の貢献は「アメリカの文化と社会に響き渡る。その創造的な仕事や、社会経済の正義のために闘う活動を通じて、無数の人の人生をより良いものにした」とたたえ、ライナー監督とミシェルさんが、乳幼児期の子どもの発達のほか、結婚の平等(同性婚の自由)など性的少数者の権利のために活動したことを振り返った。

バラク・オバマ元米大統領は、妻ミシェル氏とともに、ライナー夫妻の死に心を痛めていると声明を出した。

「ロブは映画とテレビでの功績を通じて、とても大切な数々の物語を私たちに与えてくれました」、「彼が制作したすべての物語の根底には、人の善性に対する深い信念があり、その信念を彼は生涯にわたって行動に移していました」と、オバマ氏はたたえた。

ライナーさんは1970年代にテレビの人気コメディ「All in the Family」に出演し、人気を得た。1971年から1981年にかけて、俳優ペニー・マーシャルさんと結婚した後、1989年に俳優で写真家のミシェルさんと再婚した。マーシャルさんと最初の夫の間の娘を自分の娘にしたほか、ミシェルさんとの間に息子2人と娘1人がいる。