フック型の隠しカメラ、米アマゾンで販売 「盗撮被害」で訴訟も

画像提供, Getty Images
米オンライン販売大手アマゾンで、洋服をかけるフックにみせかけた隠しカメラが販売されている。同社は、この商品を使った盗撮被害に遭ったなどとして訴訟を起こされている。
BBCが確認したフック型隠しカメラの商品リストには、バスルームに設置された状態の画像が掲載されていた。
アメリカでは、アマゾンで購入した洋服フック型カメラを使って、バスルーム内で盗撮されたと主張する女性がアマゾンを提訴。ウェストヴァージニア州の判事はアマゾン側の棄却申し立てを却下している。
プライバシーの専門家は、イギリスではこのような機器の悪用は法律違反の可能性があると指摘する。
アマゾンはこの問題についてコメントを拒否した。
アメリカでアマゾンを相手取り訴訟を起こしたのは、外国からの留学生で俳優志望の女性。
女性はウェストヴァージニア州のホームステイ先で、未成年だった自分がバスルーム内で、洋服用のフックにみせかけたカメラで密かに撮影されていたと主張している。女性はこのカメラがアマゾンで購入されたものだとしている。
犯人とされる男性は起訴されている。
ウェストバージニア州南部地区連邦地方裁判所に提出された訴状によると、このカメラが購入されたとされるアマゾンの商品リストには、タオル掛けとして使用されている画像とともに、「人目を引くことはありません」というフレーズが掲載されていた。
また、このカメラがどのように使われるのかは「アマゾンにとって予見可能」だったとし、アマゾン・ドット・コム・インク、アマゾン・ドット・コム・サービスLLC、およびそのほかの名前を伏せられた被告に対して懲罰的損害賠償を求めている。
アマゾンは最近、カメラがどのように使用されたのかについて責任はないと主張し、訴えを棄却するよう求めていたが失敗に終わった。
BBCがAmazon.co.ukで同様のカメラを検索したところ、多数の商品を発見。こうした商品が浴槽の上やベッドの横に設置されている画像が掲載されていた。
別のフック型カメラのページには、寝室に設置されているイラストのほか、「浮気」という文字がついたカップルが口論している画像もあった。
アマゾンのサイトでは、以下のようなカメラも販売されている。
- 目覚まし時計型の隠しカメラ。商品ページにはベッドの上で服を着たカップルが親しげにする様子を携帯電話で見ているイラストが載っている
- USB充電器にみせかけたカメラ。室内で抱擁するカップルを撮影する様子の画像が載っている
- 浮気相手を「監視」するのに役立つという、煙探知機のなかに隠されたカメラ
シャワーラジオにみせかけた「バスルーム・スパイ・カメラ」も販売されていた。
カメラの多くは、子供の監視や防犯に役立つと強調している。
法律事務所ピンセント・メイソンズのジャヤ・ハンダ氏は、「個人がハラスメントや児童の保護、盗撮、性犯罪、人権法などを含む多くの法的枠組みに抵触する犯罪を犯している可能性がある」とBBCに語った。
動画が広く共有されれば、データ保護の問題が生じる可能性もあると、ハンダ氏は付け加えた。
スカート内を盗撮される被害に遭い、2019年の盗撮行為を刑事罰の対象とする新法の施行に重要な役割を果たした活動家ジーナ・マーティン氏は、隠しカメラを使った盗撮被害に遭う人は女性や少女であることが多いとBBCに語った。
隠しカメラの販売や所有は合法で、多くの小売プラットフォームやオンラインストアで購入できる。
マーティン氏は、 「小売業者はもっと努力すべきだ。なぜなら、誰かを撮影しているという事実を隠すことが適切であったり、容認されたりすることはほぼありえないので」と述べた。
英ユニヴァーシティー・コレッジ・ロンドン(UCL)のレオニー・タンツァー教授は、「パートナーへのスパイ行為や清掃人などの従業員の監視」など、隠しカメラのほかの用途も問題になり得ると主張する。
こうした用途は、「弱い立場の人たちやコミュニティーに対して悪用されることが多い」ことを示しているという。





