アメリカ、中国への半導体輸出をさらに規制へ 米エヌビディアなどに打撃

大井真理子、ビジネス記者

Flag of the US and China on a microchip.

画像提供, Getty Images

アメリカのジョー・バイデン政権は17日、米半導体大手エヌビディアなどが製造している最先端の半導体について、中国への輸出を規制する方針を発表した。

アメリカは昨年10月にも半導体の輸出に規制をかけたが、今回の措置で抜け穴をふさぎ、中国軍が先進的な半導体や機器を輸入できないようにするという。この措置は30日以内に実施され、イランやロシアにも適用される。

エヌビディアは証券取引所に提出した書類の中で、新たな輸出規制により、中国市場向けに開発した人工知能(AI)用半導体「A800」および「H800」の販売が阻害されると説明。ゲーム向け半導体のうちの一つも規制の対象になると述べた。

エヌビディアは、データーセンター用半導体の売り上げの25%を中国から得ている。そのため、今回の規制ではアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やインテルなども影響を受けるものの、アナリストらはエヌビディアが最も影響を受けるとみている。規制の発表を受け、優良株とされている同社の株価は一時4.7%値下がりした。

アメリカの半導体業界の売り上げの99%を占めている米半導体工業会は声明で、新たな措置は「過度に広範」であり、「海外の顧客に他を当たるよう促すことになるため、国家安全保障を促進することなく、アメリカの半導体業界のエコシステムを害する危険がある」と述べた。

在米中国大使館の報道官も、新たな規制に「断固反対する」と述べた。

中国は8月、アメリカの輸出規制への報復として、半導体製造に必要なガリウムとゲルマニウムの輸出を制限した。

中国はこの二つの原材料について、世界のサプライチェーンでどの国よりも重要な位置を占める。欧州連合(EU)の「重要鉱物資源連盟(CRMA)」によると、中国が世界の生産量に占める割合は、ガリウムで80%、ゲルマニウムでは60%に上る。

ガリウムとゲルマニウムは「マイナーメタル」と呼ばれ、自然界では通常、単独では発見されず、何らかの生産過程における副産物であることが多い。

アメリカの他には日本、そして半導体大手ASMLのあるオランダが、中国への半導体技術の輸出に規制をかけている。

アメリカと中国という、2大経済大国の絶え間ない争いは、政府が他国への影響力を行使するために重要な資源をため込む、いわゆる「資源ナショナリズム」の台頭への懸念につながっている。