フランスの学校で教師殺害、対テロ警戒レベルを引き上げ

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フランス北部アラスで13日、学校に刃物を持った男が侵入する事件があり、教師1人が死亡、2人が重傷を負った。エリザベット・ボルヌ首相はこの事件を受け、対テロ警報を最高レベルに引き上げた。
事件は13日午前11時ごろ、ギャンベッタ高校で発生。目撃者によると、犯人はアラビア語で「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と叫んでいたという。犯人は拘束されている。
殺害されたのは男性のフランス語教師で、のどと胸を刺された。別の教師と警備員も重傷を負い、病院に搬送された。複数箇所を刺された警備員は重体という。
生徒に被害はなかった。
欧州最大のユダヤ教徒コミュニティーとイスラム教徒コミュニティーのあるフランスでは、イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、国内での緊張が高まっている。
ジェラール・ダルマナン内相は、アラスでの事件がイスラエル・ハマス間の紛争とつながりがあることは「疑う余地がない」と述べた。
拘束されたのは、ロシア国籍でチェチェン系のモハメド・モゴウチコフ容疑者(20)。警察によると、同容疑者はイスラム過激派とかかわりがあり、治安当局に名を知られていたという。
モゴウチコフ容疑者はこの学校の元生徒で、過激発言を繰り返したため、教師たちは警戒していたという。
警察はまた、同容疑者の17歳の弟や母親、姉妹、おじなど家族数人も逮捕した。

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ボルヌ首相はエマニュエル・マクロン大統領との協議後、「攻撃の危機」レベルを引き上げる緊急措置を発表した。
この措置はこれまで対テロ対策でも行われたもので、治安部隊の増員や、公衆への警告が含まれる。
マクロン氏はそれ以前に現場となった学校を訪問し、「イスラム主義のテロリズムの野蛮行為」を非難した。また、「テロだろうと何だろうと、我々を決して分断させない」よう、国民に「団結」を呼びかけた。
殺害された教師については、「他人を助けるために前に出た。間違いなく多くの命を救った」と語った。
フランスでは3年前にも、授業でイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を生徒に見せた教師が、後日に首を切断されて殺害される事件があった。殺害犯とされるアブドゥラフ・アンゾラフ容疑者(18)は、ロシアからのイスラム教徒難民で、事件発生からまもなく警官に射殺された。
2015年11月には、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の銃撃者や自爆犯らが音楽ホールやカフェなどを襲撃し、130人が殺される事件があるなど、イスラム主義者による襲撃が増えている。






